文:岩井聡史
スポーツ選手長者番付を動画に
世界のトップアスリートと呼ばれる人たちは一体いくら稼いでいるのだろうか。驚愕の賞金や年俸が発表されることも少なくないスポーツの世界。特に海外のトップアスリートの年収は想像を超えてくる。
アメリカの経済誌『Forbes』では毎年、年収の多いスポーツ選手ランキング「スポーツ選手長者番付」を発表している。今回ご紹介するのは、1990年から2019年までの30年間分のランキングを動画にしたものだ。
ちなみに『Forbes』がランキング化する年収は競技によって得られたお金だけではなく、事業や広告、そして宣伝活動で得られたお金も含まれる。
1990年、マイク・タイソンが1位
ランキングが始まる1990年、トップ3を占めたのはボクシング選手だ。1位のマイク・タイソンは元WBA・WBC・IBF世界ヘビー級統一王者として、ボクシングにあまり馴染みのない人にまで名前を知られている存在だ。1990年は2860万ドルを稼いだ。
続く1991年のトップは、同じくボクサーのイベンダー・ホリフィールドであった。
「バスケットボールの神様」の独壇場
1992年から1995年の4年間、その類まれなる功績から「バスケットボールの神様」とも評されるマイケル・ジョーダンが1位の座に君臨。1996年はタイソンが再び1位に返り咲いたが、1997年と1998年にまたもやジョーダンが1位となり、合計6回も世界で最も稼いだスポーツ選手となった。
1999年と2000年は、F1ドライバーの最多優勝記録を保持するドイツのミハエル・シューマッハが1位となった。
10年連続で首位を獲得したタイガー・ウッズ
2002年から2011年までの10年間は、あのタイガー・ウッズが連続で首位に。ゴルフを知らない人でもその名を耳にしたことがあるだろう。米ツアーで最多勝利記録に並ぶ通算82勝目を挙げ、ゴルフ史に残る偉業を成し遂げた。
2008年にはウッズの年収は1億ドルに到達し、このランキングで初めて年収が9桁を突破した。ウッズは2012年に一度2位に後退したが、2013年には再度1位となった。
年収3億ドルの驚異のアスリート
2012年にタイガー・ウッズを抑えて、首位になったのはボクシングのフロイド・メイウェザーだ。さらに2014年、2015年、2018年も1位に。2015年のメイウェザーの年収は驚異の3億ドルで、このランキングで歴代最も高額な年収となった。なぜこれほどの年収を稼げたのか。
アメリカのボクシングのファイトマネーが高額なのは有名な話である。2015年に開催されたメイウェザー対マニー・パッキャオのファイトマネー、3億ドル(約330億円)で、36分間でこの額を稼いだのだから驚きだ。
サッカー選手の台頭
2016年と2017年はクリスティアーノ・ロナウド、そして2019年はリオネル・メッシが1位に輝き、近年はサッカー選手がトップに君臨している。それまではデビッド・ベッカムがトップ10には入っていたものの、3位以内に入ることはなかった。
このように1990年から2019年までのアスリートの年収ランキングの推移を見ていくと、時代によって人気の高いスポーツが変わっていることがわかる。典型的な例はサッカーだ。ヨーロッパでは以前から人気のあったサッカーだが、さらに世界レベルで人気が高まったことをランキングから伺い知れる。また往年の名選手も振り返ることができる点でも、このランキングは魅力的だ。