EVENT | 2020/02/06

インフルエンザが治る前に出勤したビジネスパーソンは何%?職場で蔓延する「インフルエンザ・ハラスメント」

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文:浅田茉美
近年、インフルエンザにかかっているにも関わらず、出社を強要...

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文:浅田茉美

近年、インフルエンザにかかっているにも関わらず、出社を強要するなどの「インフルエンザ・ハラスメント」が蔓延している。適切な対応をしないと職場に病原菌が拡散してしまう事態に陥る。

養命酒製造株式会社が昨年10月、全国のビジネスパーソン1000人を対象として実施した「風邪・インフルエンザ予防」をテーマにした調査を元に、職場の仲間がインフルエンザになったらどのように対応するのが適切か、改めて考えたい。

インフルエンザの完治前に出社するビジネスパーソンは約2割

同調査によると、昨年の冬に風邪をひいた人の割合は56.7%、インフルエンザにかかった人の割合は12.2%と回答。ビジネスパーソンの8人に1人が、インフルエンザにかかったと判明した。

インフルエンザは、症状がおさまっても数日は安静にするのが適切だとされている。具体的には、「発症後5日を経過し、かつ、解熱後2日を経過してから」という基準が一般的だ。

では、完全にインフルエンザが治る前に出勤を強いられた人はどれくらいいるだろうか。同調査でインフルエンザにかかったと答えた人(122人)の内、「完全に治ってから出勤した」と答えた人は77.9%となった一方、「完全に治る前に出勤した」と答えた人は18.9%にも上り、さらにインフルエンザにかかっているにも関わらず「休まず出勤した」と答えた人は3.3%もいた。約2割のビジネスパーソンがインフルエンザが完治する前に出社していることになる。

休めない人がいる背景には、理解不足から生まれる「インフルエンザ・ハラスメント」がある。インフルエンザにかかったことで、嫌味を言われたり、非難の的となったりする「インフルエンザ・ハラスメント」を「受けたことがある」と回答した人は全体の3.7%だった。

医師1000人がインフルエンザの予防法を回答

医師専用コミュニティサイト「MedPeer」が会員登録する医師を対象に実施したインフルエンザに関するアンケートによると、「インフルエンザ予防に最も効果があると思う対策とは?」という質問に、1007人の医師が最も多く回答したのは「手洗いをする」で、「人混みに行かない」「睡眠・休養をとる」「予防注射(ワクチン)をうつ」「加湿をする」と続いた。

インフルエンザに対する誤った理解のせいで、患者がつらい思いをするだけでなく、二次感染を助長することにもなりかねない。インフルエンザにかかった人がいれば、「インフルエンザ・ハラスメント」などせず、しっかりと休息を促すなどつとめたいものだ。