文:今野直倫
アメリカのプロサッカーリーグ「メジャーリーグ・サッカー」に加入するアトランタ・ユナイテッドFCは、参入2年目でMLSカップを制覇するなど勢いのあるクラブだ。
そんなアトランタ・ユナイテッドFCに、介助犬見習いの「スパイク」が新メンバーとして加わると発表された。
新メンバーは可愛らしい子犬?
今年1月、アトランタ・ユナイテッドFCに新しいメンバーが加入した。しかし、それはストライカーでも、ミッドフィルダーでもなく、可愛らしい子犬だった。
生後12週間の金色のラブラドールレトリバーで、名前は「スパイク」。障害のある退役軍人に介助犬を派遣する「アメリカズ・ヴェット・ドッグズ」出身で介助犬になるための訓練を受けている。アトランタ・ユナイテッドFCは、この子犬をマスコットキャラクターとしてではなく正式なメンバーとして加えた。
アトランタ・ユナイテッドFCの会長ダレン・イールズ氏は「これは、新しいスターとの契約です。クラブはスパイクの訓練をバックアップし、立派な介助犬となるように支援します」と『CNN』に語った。
「アメリカズ・ヴェット・ドッグズ」の社長であるジョン・ミラー氏も「スパイクは社交的です。チームとスタジアム、そしてイベントに参加し、多くの空間に触れることにいるでしょう」と、多くの経験が介助犬としての成長につながると述べた。
スパイクは今後14〜16カ月間アトランタで訓練を受け、その後、試合やイベントなどでピッチに立つ予定だ。
メジャーリーグ・サッカーと介助犬の未来
スパイクはチームで過ごした後、さらなる訓練のために「アメリカズ・ヴェット・ドッグズ」へ戻る。認証を受けた介助犬インストラクターの下で、ドアの開け方や悪夢の遮り方、介助者に安らぎを与える方法をトレーニングすることになる。
普通、一匹の介助犬を育てて、トレーニングをし、世に送り出すためには5万ドルもの膨大な資金が必要だという。「私たちはこういった活動がトレンドになっていくことを望んでいる。メジャーリーグ・サッカーのクラブがこれに続くことになれば、それは良いことです」とイールズ氏。
アトランタ・ユナイテッドFCを象徴する存在となった「スパイク」。この一匹の介助犬見習いはメジャーリーグ・サッカーにとっても大きな希望となるだろう。