文:今野直倫
多くの犬や猫などの動物が保護されている動物保護施設。引き取り手が見つかり第二の生活を始める動物たちも一方で、中にはさまざまな事情で引き取られずに一生を終えてしまう動物たちもいる。
そんな中、アメリカの動物保護施設で保護されていた野良猫がスタッフの愛あるプレゼントによって生まれ変わったエピソードが話題を集めている。
病気により耳を切除することに
昨年12月に、デーン郡の動物保護施設に引き取られた野良猫の「レディ」。彼女は慢性的な耳の病気を抱えており、施設に移ったのち間もなく治療が開始された。
野良猫のレディは治療を行ってきたが、獣医は病気の影響を最小限に抑えるためにレディの耳を切除することを決意。レディの耳の病状は以前より良くなることが見込まれた。ただ、レディの耳がない見た目のため、職員たちはレディがちゃんと新しい飼い主に引き取られるのか不安を募らせたと『CNN』は伝えている。
耳を失ったレディを見た施設職員のアッシュ・コリンズさんは、彼女に機転の利いた贈り物をした。無くなった耳の代わりに付ける「耳カバー」をプレゼントしたのだ。その耳カバーは紫色の毛糸で編まれており、愛らしさは抜群。職員になだめられたレディはその耳カバーをすっぽりと被った。
Facebookで反響。引き取り手が見つかる
同施設は、この一連のストーリーをFacebookに投稿。耳カバーを付けたレディの写真を添えて「ファーコートを着たレディに会いに来てください」「レディは会いに来てくれたすべての人たちを幸せにするでしょう」とフォロワーに呼びかけた。
すると、この投稿には約200件もの称賛のコメントを集め、大きな反響を見せた。「耳のヘッドバンド!なんて思いやりのあるプレゼントだ!」「まさに“ビューティフルレディ”だね」「耳が“ある”のと同じくらい、“ない”姿も素敵だ!」などと称賛の声を集めた。
この投稿した次の日、なんとレディの引き取り手が見つかった。耳カバーをプレゼントしたコリンズさんは、「私はとてもハッピーです、私のかぎ編みの技術でレディに2度目のチャンスを与えることが出来て。ほんの少しでも彼女の幸せなエンディングの一部となれたことを誇りに思います」と語った。
動物たちを想う職員の気持ちが、耳を失った一匹の猫を救ったのだ。