文:wonders7
2019年9月に発生し4カ月以上にわたって継続しているオーストラリア森林火災。環境問題への意識が高まるなか、世界中であらゆる形の支援が動き始めている。
その中でも、ある少年の純粋な想いがSNS上で話題となり、大きな支援の輪となりつつある。
心を痛めた動物が大好きな6歳の男の子
米国マサチューセッツ州ヒンガンに住む6歳のオーウェン・コリー君は、ある日オーストラリアの森林で大規模な火災が起きていることを知った。そこでオーウェン君は母親のケイトリンさんに「動物は怪我をしているの?」と尋ねた。
火災で動物が苦しんでいることを知ったオーウェン君は、何も言わずその場を離れ、雨の中にいる動物たちの絵を描き始めた。「オーウェンが、レゴ以外で自分から進んで願い事をしたのは、それが初めてのことでした」と、ケイトリンさんが『CNN』の取材に語った。
願いが込められたコアラの粘土細工
そこで、オーウェン君は両親と話し合い、動物たちを救うため寄付活動を始めることに。オーウェン君はコアラの粘土細工を手作りし、50ドル以上支援した人への返礼品としてプレゼントした。オーウェン君がひとつひとつ手作りしたコアラの表情をみれば、彼の純粋な想いが伝わってくる。すると、わずか1週間で2万ドル(約220万円)以上もの寄付金が集まった。
さらに、オーウェン君たちはより多くの支援を集めるため、米国大手のクラウドファンディングサイト『GoFundMe』で寄付を募った。現在、約4600人から28万ドル近く(約3000万円)の支援が寄せられている。ただし支援が殺到したため、現在はコアラの粘土細工の提供を中止している。
自身が豪シドニー郊外で育った父親のコリーさんは、「あの子にはオーストラリアにつながりを感じているんです。記憶にはないはずなんですが、オーストラリアに住んだことがあるということを誇りに思っています。」と語る。まだよちよち歩きの頃、数カ月の間、豪シドニーで生活したことがあるということも、オーウェン君を突き動かしているのだろう。
オーウェン君も「オーストラリアのこと、オーストラリアにどんな動物がいるかをもっとたくさんの人に知ってほしい」と話す。
苦しんでいる動物たちを守りたいというオーウェン君の純粋な想いは、世界を動かし始めている。6歳の少年の想いに触れ、支援のあり方を改めて考えさせられる。