文:岩見旦
今月中旬、「女性専用車両に乗りたくない女性が増えている」など女性専用車両に対する批判的な話題をテレビ番組やウェブメディアがこぞって報じ、物議を醸した。
そんな中、海外では女性専用車両にまつわる33秒間の動画が大きな話題を呼んでいる。
インドの警察官の動画が世界中で話題に
こちらはインドの地下鉄で撮影された動画だ。インドでは混雑する電車車内での痴漢行為が社会問題化しており、女性を保護する観点から大都市の通勤電車に女性専用車両が導入されている。
ニューデリー近郊の駅のプラットフォームに立っている女性警察官。すぐそばにはライフルを持った警察官もいる。まもなく電車が到着し、女性警察官の目の前に女性専用車両が止まった。しかし、その中には男性がすし詰めで乗車していた。
するとドアが開くなり、女性警察官は男性たちを引きずり出した。そして、顔面にキツいビンタのお仕置き。これには堪らず男性たちも頭を抱えて、逃げ惑っている。中には警察官に歯向かう男性もいるが、胸ぐらを捕まれ電車の外に追いやられた。
この動画は現在、海外のネット掲示板『Reddit』やネタ画像サイト大手『9gag』などに投稿され、多数のコメントが殺到。世界中で反響を呼んでいる。
日本国内でもTwitterを通じて、この動画が広く拡散され、ある投稿は2万件以上のリツイートを記録。「早くこうなってほしい」「ビンタなんて生ぬるい、玉蹴りの方がいいのでは?」「法治国家じゃ無理ですね」「日本でやったら叩かれるんだろうな」などの意見が寄せられた。
2010年に実施されたインドの取り締まり
実はこの動画は最近撮られたものではなく、2010年に撮影されたものだ。女性を守るための取り締まりとして、地元警察が実施したもので、警察官が日常的に男性をビンタしているわけではないという。当時の報道によると、違反した男性には250ルピー(約400円)の罰金が課せられ、ホームで腹筋するよう命じられた男性もいたとのこと。
このような実力行使が正しいかはさておき、痴漢被害の避難所である女性専用車両を、広く認知させる効果はあったのではないだろうか。