文:岩井聡史
現在、アメリカで注目を浴びているのが、パグを招待した結婚式だ。この前例のない、ユニークでハートフルな結婚式を『Good Morning America』が報じ、話題を呼んでいる。
しかし、そんな心温まる結婚式の裏には花嫁の兄との絆や、パグをはじめとした動物への敬意が現れている。
亡き兄の存在を感じる結婚式にするため
今月、フロリダで結婚式を開いたミシェル・ドッズさんとマイク・シングルラーさん。新郎新婦は二人で結婚式を計画し始めたときから、パグを結婚式に招待しようと決めていた。
新婦のミシェルさんとそのお兄さんのジェフリー・“ジェイ”・ネルソン・ドッズさんの仲は非常に良く、お互いに心の底から信頼し合っていた。しかし2017年、ジェフェリーさんは突然亡くなってしまった。
そんなお兄さんの忘れ形見が「パグ」だったという。ジェフリーさんは生前、仕事で出張に行く際など、彼が愛したパグであるノッカーズをミシェルさんに預けていた。ミシェルさんは今でも兄が残したノッカーズを大切に飼っている。
ミシェルさんにとって家族同然であり、お兄さんの存在も感じさせてくれるというパグを結婚式に呼ぶアイデアは、結婚式を計画してすぐに思い付いたという。彼女はすぐさまフロリダの非営利団体「パグ・レスキュー・オブ・フロリダ」に連絡した。
パグやすべての動物に敬意を表した結婚式に
パグ・レスキュー・オブ・フロリダは、フロリダで年齢や健康状態に関わらずパグを保護し、里親を探している団体だ。ミシェルさんは7匹のパグを、団体から借りて式に招待。パグは蝶ネクタイ姿で参列した。花嫁介添人が伝統的なブーケの代わりにパグたちを連れて、新郎新婦を見守るという素敵な結婚式となった。
この結婚式には新婦の亡き兄の友人であるリア・グリムソンさんも参列し、「亡きジェフェリーさんの存在感を感じさせる特別な式だった」とコメント。またパグ・レスキュー・オブ・フロリダからもクリスティン・シュイナードさんも「ミシェルさんの今回のアイデアはとても素晴らしいです」と賞賛した。
ミシェルさんは結婚式に招待した7匹のパグのうちの3匹の里親となった。新郎新婦は、家族との絆や動物の命に敬意を表する素晴らしい式で、人生の新たなスタートを切ることに。このような素晴らしい取り組みから、動物を飼うことの意味などを改めて認識できることだろう。