接待は夜にするもの、というのはひと昔前の話で、最近ではランチ接待をする企業も増えているという。
プライベートな夜の時間を接待に充てるのを敬遠されたり、はたまた予算の兼ね合いだったりと理由はさまざまだが、ランチタイムと言う限られた時間内だからこそ、充実したコミュニケーションの場になる確率が高いのだ。
チェリー先生
食べ歩き部・部長
東京生まれ東京育ち。10代では外食好きな家族と、20代では目上の方々にあまたの東京レストランガイドをしていただき、30代以降は自分で開拓するのが楽しくなり、あらゆるスタイルの「外食」を楽しんできたグルメ女。プロならではのこだわりが見える瞬間、女王様気分を味わえる接客、味というよりも人に惹かれる瞬間などに魅力を見出し、レストランの楽しみ方を広げている。
そんなランチ接待にイチオシなのが、六本木駅からすぐの「ベンジャミンステーキハウス」。先方に印象づけられる華やかさがあり、本場アメリカンスタイルの熟成ステーキが堪能できる。
ニューヨークの本店は創業2006年と歴史が浅いながらも、現地ではステーキハウスの名店として名を馳せ、レストランガイドブックでは毎年上位に食い込んでいる。
その本店の雰囲気を再現したというインテリアは、黒やゴールド、赤が基調になった重厚な空間で、入口から店内へと続くラグジュアリー感溢れる階段を進むだけで、気持ちが高揚してくる。
セットメニューは2700円からあるが、ステーキハウスにせっかく来たのだから、フィレミニョンがメインのランチセットメニュー4800円がお勧め。
前菜はプリフィクスメニューでサラダ4種からひとつ、スープ3種からひとつをセレクトし、締めくくりに170gの熟成ステーキが楽しめるコースだ。
スタートは、レタスを割った上にブルーチーズのソースがかかったウェッジサラダ。まろやかな中にもパンチのあるブルーチーズがレタスによく絡み、どんどん食べ進んでしまう。
スープは店名を冠した「ベンジャミンスープ」を。ミネストローネのような具沢山のコンソメ仕立てで、熟成肉がごろごろと入っているボリュームたっぷりのスープ。
先程のサラダのベーコンといい、この肉といい、こんな小さなカットでも旨味がたっぷりで肉の上質さが隠せないのに、塊のステーキになったらどうなってしまうのか、嫌が応にも期待が高まってしまう。
さて、いよいよお待ちかねのステーキが熱々の状態で一斉にサーブされる。自社の熟成庫で28日以上熟成させたUSDA(アメリカ農務省)認定最上級グレードのプライムビーフステーキだ。
ステーキハウスならではの手法で、高温で一気に焼き上げて肉の風味をギュッと閉じ込めてある。それでいて、中は美しく赤が光るしっとりとしたミディアムレアの仕上がり。
まずは何も付けずにひと口噛み締めたら、思わず、「極上」という言葉が浮かんだ。口一杯に広がるドライエイジングならではの旨味と、焼きの技術の成せる食感。一流がリピートするステーキハウスというのも納得だ。
コースは以上なのだが、先方が甘党なら、アメリカンスタイルなケーキもぜひ追加オーダーして欲しい。酸味が際立つキーライムパイで午後からの仕事もシャキッとスタートできそうだ。
ゴージャスなインテリアに最上級の熟成肉。こんなに高揚感あるランチを取れたら、午後の仕事へのパワーチャージにならないわけがない。
時間をムダにしたくないという合理的なビジネスパーソンでさえ、足を運んで良かったと満足してもらえる接待になるだろう。
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ベンジャミンステーキハウス六本木