LIFE STYLE | 2019/04/19

ノートルダム大聖堂再建のため、大富豪が253億円の寄付。米ディズニー、仏ゲームメーカーも支援を表明

Photo By Shutterstock
文:岩見旦
仏パリ中心部にある観光名所のノートルダム大聖堂で15日、大規...

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

Photo By Shutterstock

文:岩見旦

仏パリ中心部にある観光名所のノートルダム大聖堂で15日、大規模な火災が発生し、世界に衝撃が走った。貴重な文化財の多くは運び出されて無事だったものの、教会の屋根や尖塔などが焼け落ち、大きな被害をもたらした。

マクロン大統領は、2024年のパリ夏季オリンピックが開催される「5年以内に再建する」との考えを表明し、国民の結束を訴えた。

仏ファッション業界から巨額の寄付が殺到

ノートルダム大聖堂の被害を受けて、早くもフランス国内から大口寄付の申し出が相次いでいる。

ルイ・ヴィトン、ディオール、フェンディなどの高級ブランドを手がける「LVMH」グループの会長兼CEOであるベルナール・アルノー氏は、2億ユーロ(約253億円)を援助すると発表。アルノー氏は今年3月に、世界の第3位の富豪にランクインしたことでも知られている。

さらに、グッチやイヴ・サンローランなどを傘下に擁する「ケリング」グループCEOのフランソワ・アンリ・ピノー氏は創設者でもある父フランソワ・ピノー氏とともに、1億ユーロ(約126億円)の寄付を表明した。フランスのファッション業界の大物からの大口寄付が続いている。

また、フランスの化粧品大手「ロレアル」とその大株主であるベタンクール・メイヤー家が総額2億ユーロ(約253億円)、フランスの石油大手のトタルは1億ユーロ(約126億円)の寄付をそれぞれ申し出た。

フランスのゲームメーカーUBISOFTは、同寺院が登場するゲーム『アサシンクリード ユニティ』のPC版を4月25日16時までの1週間限定で無料配布している。ゲームでは同寺院の外装だけでなく内装も見ることができる。さらに50万ユーロ(約6300万円)の支援を表明した。

世界に広がる支援の輪

ノートルダム大聖堂への寄付はフランス国内に留まらない。世界中から支援が集まっている。

米ウォルト・ディズニー・カンパニーは500万ドル(約5億5000万円)の寄付を発表。同社は、1996年にアニメ映画『ノートルダムの鐘』をヒットさせ、ディズニーランド・パリも運営している。また、金額は公表していないものの、米Appleも支援を申し出ている。

現在ノートルダム寺院修復に向け、8億ユーロ(約1000億円)が集まっていると仏メディアは報じた。800年の歴史のある世界遺産が、世界中の慈善の心を呼び覚ました結果といえるだろう。