EVENT | 2019/05/08

職場で1日何をしていたか、全行動データを取得できる時代が目前に。でもそんな社会は幸せなのだろうか?コクヨ山下氏の講演レポート

去る4月4日、虎ノ門ヒルズにて「WORKTECH19 Tokyo」が開催された。
同イベントは、イギリスのUnwire...

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去る4月4日、虎ノ門ヒルズにて「WORKTECH19 Tokyo」が開催された。

同イベントは、イギリスのUnwired Ventures社が世界中で開催する、ワークプレイス(職場)環境や働き方、都市開発、まちづくりと最新テクノロジーの結びつきを議論するフォーラムの東京編。当日はオフィスデザインの研究・コンサルティングを手がけるUnwork社CEOのフィリップ・ロス氏による、ミレニアル世代の優秀な若者たちを惹き付けるための職場空間づくりを論じた講演から始まり、Airbnb、SoundCloudなどのワークプレイスデザインを手がけたケリー・ロビンソン氏、世界最先端のスマートビルとして名高いロンドンの「THE EDGE」の設計を手がけたPLPアーキテクチュアの相浦みどり氏の講演などが行われた。

今回はその中でも、コクヨ株式会社 クリエイティブセンター主幹研究員であり、世界中のすぐれたワークプレイスや働き方を紹介するメディア『WORKSIGHT』の編集長でもある、山下正太郎氏の講演「スマート化:未来の「スマートなワークプレイス」の内容をお届けする。

実は世界では「従業員全員が、どこで何をしているかがすぐにわかるオフィス」「時刻によって駐車場になったり公園になったりする街」といった、まるでSF作品に出てくるような職場や街は、実験段階のものも含めて既に存在している。デジタル技術の進化によってそれらがより普及した未来は、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)が劇的に改善されたユートピアか、はたまた息苦しい監視網が張り巡らされたディストピアか。これからを生きる我々がどちらを選択するのか、考えていかねばならない課題だ。

文・構成:神保勇揮

山下正太郎

コクヨ株式会社クリエイティブセンター主幹研究員 / WORKSIGHT編集長

コクヨ株式会社に入社後、オフィスデザイナーとしてキャリアをスタートさせる。その後、戦略的ワークスタイル実現のためのコンセプトワークやチェンジマネジメントなどのコンサルティング業務に従事している。コンサルティングを手がけた複数の企業が「日経ニューオフィス賞」を受賞。2011年にグローバルで成長する企業の働き方とオフィス環境を解いたメディア『WORKSIGHT(ワークサイト)https://www.worksight.jp/』を創刊し、研究的観点からもワークプレイスのあり方を模索している。2016-2017年ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA:英国王立芸術学院) ヘレン・ハムリン・センター・フォー・デザインにて客員研究員を兼任。世界各地のワークプレイスを年間100件以上訪れ、働く場や働き方の変化を調査している。

「ワークプレイスのデジタル化」とは何か

山下正太郎氏

私はコクヨのR&D部門でワークプレイスのグローバルトレンドについてリサーチしています。2年前にはロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートのヘレン・ハムリン・センターでも同様の研究をしていました。また『WORKSIGHT』という雑誌の編集長でもあります。これまで、さまざまな国や都市の、1000カ所以上のワークプレイスに実際に足を運んで内情を調べています。

今日は研究や取材活動から見えてきた、新しいデジタル化されたワークプレイスについてお話いたします。

なぜ「ワークプレイスのデジタル化」がいま注目されているのでしょうか?ひとつは5Gの導入や各種センサーのコストが劇的に低くなったことで、デジタル情報を簡単に収集、そして分析できる環境が整ってきたことが言えます。

IoTが発達・普及し、手軽にビッグデータを収集し溜めることができる。そのビッグデータをAIが分析して、その情報をさらに現場のIoTがまた活用しだすという、データを効率的に集め、活用し、分析するサイクルがまさにつくられようとしているのです。

スマート化が急激に進んでいるもうひとつの要因は、環境問題への対応です。恐らく皆さんもSDGs(持続可能な開発目標)とかサーキュラー・エコノミー(循環型経済)ですとか、そういったお話を聞かれていると思いますが、これまでのように資源を無尽蔵に使って経済成長を目指すことが難しくなってきています。

例えば、オックスフォード大学のケイト・ラワース氏が提案している「ドーナツ・エコノミクス」という経済の考え方があります。

これはドーナツの形の円を使ってあるべき経済成長の姿を表しているもので、円の外側は資源が限りあるものである以上、地球環境の持続を考えるとこれ以上は成長できないししてもいけないという範囲です。一方で経済成長や分配が内側の円を割り込んでしまうと食糧難や病気の蔓延など、福祉が行き届かず基本的人権が満たされない状況が生じてきてしまう。あくまでそうしたドーナツの外側と内側の円の間で人類は経済成長を図っていかなければならないという話です。

あらゆる産業でスマート化が求められている一方で、それを評価する指標も変化しているわけです。デジタル社会の新しい経済のあり方という意味では、GDPではなくてGDP-Bという新しい経済指標をMITのエリック・ブリニョルフソン教授も発表しています。

最新テクノロジーによって変わる働き方

最近発表された「Google Duplex」という新しい電話予約のサービスが話題となりました。例えばヘアサロン、レストランなどの電話予約をAIが代行してくれるサービスです。驚くべきことに、AIが話している音声を聞いて、お店の人はそれがAIだと全く気付いていないというのです。

AIというのは、人間のある種の定型的な仕事をどんどんとデータ化し代行してくれる、そんな社会の実現に一役買ってくれます。これによって、人間はより生産的な活動、コラボレーションとかクリエイティビティを発揮する仕事に注力することができるのではないかと期待されています。

ほかにも、VRを活用した働き方なども話題です。eXp Realtyという会社は1万2000人の社員を抱えているアメリカの不動産仲介会社ですが、その約4分の3の社員がオフィスには出社しないでバーチャル上でしかコミュニケーションしないという働き方が実践されています。

1万2000人の社員がバーチャル上で出社する。VRの中で仕事をすることによって、例えば通勤で嫌な思いをしなくていい、自分の生産的な活動ができる、さらに通勤のCO2を減らせることから環境的な配慮もできるということで非常にワークしています。

世の中のデジタル化が進んでいくと、自分の「自然な状態」で仕事をすることができます。これまではPCやスマートフォンを使って入力作業をしなければいけなかったわけですが、例えばそれは声を使って仕事ができる、ジェスチャーを使ってできる、アイトラッキングでできるとか、さまざまな人間の自然な行動がデータ化されることによって、いろいろな仕事ができるようになってくる。こうしたUI革命が各所で起こってきており仕事のあり方が変化しています。

世界中の最先端オフィスビルで、今何が起きているか

続いてワークプレイスはどうなっているか、事例をご紹介します。

恐らくいま最もスマート化が進んでいる都市の一つが中国の深センだと思いますが、ビジネスエリアの中心にアジア時価総額ナンバーワンのテックカンパニー、テンセントが本社ビルを建てました。

中国は個人情報の利用が進んでいます。例えばこのビルではすべての部屋に生体認証で入れるとか、まさに何も手ぶらで、いろんなスペースが使えるようなスマートな環境が作られているのが特徴のひとつです。来訪者が受付に行くと、ロボットガイドが自分の行き先を案内してくれるとか、そういったスマートサービスも用意されています。

自社ビルだけではありません。テナントビル、テナントオフィスもそういったスマート化の流れに追随しています。オランダ・アムステルダムにあるThe Edgeというスマートビルの金字塔となっている事例がありますが、それを手がけたデベロッパーOVG Real Estateが次に生み出したのがThe Edge Olympicというビルです。

建物内にさまざまなセンサーが散りばめられていて、そのビッグデータ分析によって、より快適な環境が作られています。ある部屋に入ると本人に即した快適な環境がつくられるというオフィスになっています。

デザインに「テクノロジーっぽさ」が無いというところもポイントです。テクノロジーはほとんど目に見えない画面や壁の裏側の世界になっていて、実世界をさりげなく支えるようになっています。目に見える世界は何か家のような、非常にリラックスできる環境が作られていくのが今後のオフィスの特徴になるでしょう。

ロンドンにもThe Edgeを手がけたPLP Architectureが設計したTwentytwo Londonという新しいスマートビルが建ちます。

このフロアは15層に一つぐらい、ジムやラウンジなど、豊かなコミューナルスペースが入っていて、これからの若いタレントであるミレニアル世代、ジェネレーションZといった世代が楽しめるような空間が作られています。またアプリケーションを作って、その空間の利用を最適化できる、そんな取り組みもなされています。

デジタル化は空間のあり方だけでなく、作り方も変えていきます。北京のギャラクシーSOHOというザハ・ハディド氏が設計したビルですが、ワンフロアはなんと2万平方メートル以上の面積があるメガフロアを有しています。オフィスフロアのデザインは人がいちいち平面計画を練っておらず、アルゴリズムを組んでパラメータを変化させるだけで自動的に何千通りものプランを生み出す「ジェネラティブ・デザイン」が採用されています。

実際の運用段階ではセンサーでデータを取り、新たなシミュレーションを実行していく予定です。データ収集と分析を繰り返すことによって、空間自体が人間の行動に適した状況になっていくようセルフラーニングする方向を目指しています。この事例に限らず、人間の行動、設備データなど空間設計に必要な要素がデータ化され、最適化される時代が正に訪れようとしているのです。

街中のあらゆる場所がワークスペースになっている

現在もそうですが、ワークプレイスというのはオフィスに限ったものではなくなってきています。さまざまな空間、例えば街中のカフェとかコワーキングスペースとか、企業のセンターオフィス以外で働くこともさらに増えるでしょう。

アメリカではレストランの空いている席や時間帯を利用して、それをワークプレイスとして貸し出す「KettleSpace(ケトルスペース)」、「Spacious(スペーシャス)」といったサービスが登場し、月額100ドルぐらいでインテリアの優れたレストランを職場として使えます。

ほかにも、公共空間のワークプレイス化も進んできています。例えばサンフランシスコでは「POPOS」というスキームで、都市にフリーのワークスペースを増やしています。これは「Privately Owned Public Open Space」の略で、民間所有の土地や建物をパブリックな用途として開放するものです。例えばLinkedInが入るサンフランシスコのビル1階のロビースペースが、誰でも使えるワークプレイスとして開放されています。

また日本でもかなり増えてきたコワーキングスペースですが、一説によると現在世界で2万カ所ほどあると言われています。当然ビジネス上の競争は激しく、余っている席をいくらかでも誰かに貸したいプレイヤーは少なくありません。そこに目を付けたのがアメリカ発の「Croissant(クロワッサン)」というサービスです。

このサービスはいわばコワーキングスペースのサブスクリプションサービスのようなもので、一定の月額料金を払えば世界中の提携スペースが利用できます。

つまり、もう働く場所はオフィスビルだけではないわけです。都市のあらゆる場所がワークスペースであると考えなければいけないということになります。

「プラットフォーム資本主義」の傘が街を覆う

「都市のあらゆる場所がワークスペース」という考え方は、不動産デベロッパーやコワーキング運営会社だけが持っているわけではありません。

例えばニューヨーク・マンハッタンの大規模再開発プロジェクトであるハドソンヤードでは、「Google傘下(正確には親会社のAlphabet傘下)の都市デザイン会社」として話題を呼んだSidewalk Labsが人や自動車などの動き、利用のされ方など多種多様なビッグデータを取得・分析し、都市の機能を最適化していこうという動きがあります。

数多の利用者のデータを取得・分析・還元することによって、利用者がより便利になる一方で、データをもつ企業が影響力をもち優位になっていく。ITプラットフォームの世界で起こってきたことが不動産や都市計画の分野でも起こりつつあります。

Sidewalk Labsのプロジェクトはこれだけでなく、カナダのトロントでも同市と提携してトロント南東部にある「Quayside」というウォーターフロント地区の、約4万9000平方メートルの再開発を進めています。オフィスビル、住宅などが全て木造でできているという建築の面でも非常にユニークな取り組みですが、データ分析によってありとあらゆる行動、活動が最適化されることが検討されています。

トロント再開発のプロジェクト紹介サイト

ここでいう「最適化」とは、例えば時間単位で都市が変化していくということです。朝は駐車場だったところが、クルマが出て行った後は公園になるとか、人間の行動が事細かに分析されて、時間単位で用途が変更される都市ができあがるというようなものです。

大きなデータ・プラットフォームの上に都市をつくっていこうという動きは、Sidewalk Labsだけでなく様々なプレイヤーが追随しています。昨年、日本にも上陸し話題になったWeWorkを運営するThe We Companyもそのひとつです。コワーキングスペースの運営会社から、ビルのデベロッパー、そしてスマートシティのデベロッパーを目指し、新たにGoogleの幹部を採用し都市のイニシアティブを立ち上げるというニュースが話題になりました。つまり、より大きなレベルでプラットフォームをつくることが勝負になってきているわけです。

プラットフォームの巨人たちといかに戦うか

デジタルプラットフォームの特徴について示唆的な著作『プラットフォーム・キャピタリズム』があります。著者のキングス・カレッジ・ロンドンの講師であるニック・スルニチェク氏(Nick Srnicek)は、プラットフォームの主な機能を4つに分類しています。

ひとつは、大きなデジタルインフラであることです。次に、そこで人々がつながることによって新しい価値が生まれる、ネットワーク効果ですね。つながる人たちを集めるために、プラットフォーマーは主に無料のサービスを使って人を引きよせていきます。引き寄せられた人々とのエンゲージメントを高めることでさらに多くのデータを集めます。これがデジタル上だけでなくリアルなオフィスや、都市でも起こりつつあるということです。

こうした動きがある中で、リアル空間をつくり運営する、不動産に関わる事業者たちはどうやってデジタルプラットフォーム時代に立ち向かっていけばいいのか。ポイントは2つあると思います。

ひとつは「統合する」ということです。オフィス空間だけをビジネスの対象としてもあまり意味をなしません。つまり、ワーカーが朝起きて電車に乗り、その都市に着き、そして自宅に帰るまで、一連のプロセスの中でどういう場所を使うか、どういう働き方をするか、統合的にデザインをしなければいけないということです。

2つ目は「意義を感じさせるデザインにしなければならない」ということです。恐らく、今後ありとあらゆる機能が最適化され平準化される世の中が来るでしょう。その世界では、「自分らしくいられる」とか、「自分が解放される」など、機能よりも高次な自分にとってどういう意義が感じ取れるのか、が求められると思います。

統合すること、意義を感じさせること、ユーザーの行動体験(UX)をどうデザインするかが重要なポイントです。

プラットフォーム化する都市や職場に「NO」を突きつけること

皆さんはここまでの話を聞いて、プラットフォームに覆われる社会が本当に幸せな社会だと思いましたでしょうか? 時間単位で自分の行動がデータとして取られ、必要な行動がレコメンドされることがどれほど人間にとって大切なのでしょうか?

現在、もっとも最適化、プラットフォームの社会が進んでいる国は中国だと思います。どこで生まれたか、どういった勉強をしてきたか、ありとあらゆる購買の情報といったことがデータ化され、信用スコアとして点数化されています。アリババが作っている「芝麻信用(セサミクレジット)」が有名ですが、この点数が高ければ高いほど、お店に行った時に良いサービスが受けられたりする。あるいは海外に行くためのビザ申請が容易になったり、自分の信用のポイントが貯まれば貯まるほど便利な社会になってきています。

一方で、このスコアが600点以下になると、私の中国の同僚は冗談交じりに「もう人間ではない」と言っていました。つまり効率的な生活の影で、新たな階層社会が生まれ“デジタル奴隷”として活躍できるチャンスが奪われてしまう可能性が大きい。プラットフォーム社会はこうした負の側面も孕んでいます。

欧州は、そうした動きに対していち早くノーと言いました。代表的なのはEUがGDPR(General Data Protection Regulation)という個人情報の厳格な規制を設けたことでしたが、その他にも社会実験を始めています。

Decode」というEUのプロジェクトでは、アムステルダム、ロンドン、バルセロナといった都市で、個人データを自らの意思に従って利活用するモデルが検証されています。データの主権が個人にあるのか、社会にあるのか、プラットフォーム社会の議論が続いています。

また、プラットフォーマーに対する警戒感が若い世代の間で強まってきています。長いものには巻かれたくないと思っている若い世代も、新しい企業のかたちをつくり始めています。最近では「Platform Corporatism」という言葉で呼ぶ動きも出てきました。考え方としては生協に近いイメージで、各人が出資して、自分がプレイヤーでありつつ経営にも関わるといった主体性を重んじるスタイルです。

例えばStocksyというカナダ発のストックフォトのプラットフォームがあります。設立したのはフォトグラファーたちです。長いものに巻かれるのではなくて自分のやりたいこと、情熱を持てることに関しては自分が管理していく。自分がプラットフォームをつくっていくという動きです。

フラットに人が集まっている共同体には、上下関係のない新しい組織像も求められており、最近ではDAO(Decentralized Autonomous Organizations:自律分散型組織)という言葉も生まれています。この組織をつくる上ではブロックチェーンが非常に有効な役割を果たしています。ブロックチェーンでいろんな人たちが透明性高くつながり合うことによって、運営がなされていくという組織像なのです。

都市レベルで新しいスマートのかたちを模索しているバルセロナの取り組みも紹介します。バルセロナは、欧州の中でも最もデータを活用したスマート化が進んだ都市の一つです。さまざまな交通データ、住宅データといったものが最適化されて、人々がより効率的に暮らせているわけですが、それだけでは足りないのではと始めたのが「スーパーブロック」という施策です。

バルセロナは、京都のように大きな碁盤のような都市構造を持っています。そのブロック9つを大きなスーパーブロックという塊として見立て、内側に走る4本の通りの新たな利用法を考えることとしました。そこに暮らす住民の声をワークショップなどで聞きながら「自分たちがどういうふうに生きたいか」「どういうニーズがあるか」ということをベースにして、住民本位のまちづくりをしています。

例えばポブレノウという地域では、交通制限をして公園やアートスペースなど都市の中に滞在できる新たな憩いの場をつくり住人の高い満足度を引き出しました。スーパーブロックの重要な点は、都市のビッグデータから導きだされた最適解ではなく、住人自らの内面から沸きあがる創造性やパッションを引き出したことにあります。スマートの裏側で見過ごされていることにバルセロナはいち早く気付き実行したのです。

このエリアの住人は、当初はクルマが通れなくなることで、住宅やオフィスの価値が下がるんじゃないかと恐れていたわけですが、結果的にこのエリアの人気が高まり、より多くの住民を集めることができたという成功事例になっています。

テクノロジーとの共存をいかに図るか

本日のまとめです。

まず直近で起こっていくことは、人間や環境のありとあらゆるデータを使いワークプレイスが最適化されていくということです。

2つ目は、デジタル技術によってワークプレイスがオフィスだけでなく都市に広がり、流動的に変化していく中で、UXを統合していくこと。また機能を超越してより精神に訴えかける、意義を感じさせるデザインをすることが重要であるという点です。

3つ目は、いま目指されているデジタル化社会の行き着く先は、リアル空間も含めてどれだけ大きなプラットフォームをつくっていけるか、“原資”となるデジタル情報をどれだけ集められるかという「傘の大きさ」が焦点になってきています。

最後に、そうはいってもプラットフォーム社会が本当に幸せなのかということに対して、ノーと言っている人たちがたくさんいるということです。プラットフォーム社会にそのまま進むのか、それともプラットフォーム一辺倒ではない新しい社会が生まれるべきなのかということが、まさに今日WORKTECHに参加されている皆さんに主体的に考えていただきたいポイントです。