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文:岩見旦
音楽家になるために必要なものといえば、何が思い浮かぶだろうか。生まれながらの才能や、不断の努力などが挙げられるだろう。
そんな中、ある作曲家が投稿した「音大に行ってて一番実感したとこ」が注目を集めている。
「親が金持ち」が一番のチート
音大に行っていたある作曲家は、自身のTwitterに、「『親が金持ち』これが一番のチート(まるで不正なほど有利)」と投稿。他の大学に通っていたにも関わらず、4年目で辞めて音大に入り直したという親が金持ちの知人は、防音のマンションを親に借りてもらい、24時間いつでも練習できる恵まれた環境だったとのこと。仕送りももらい、楽器を買ってもらい、バイトは週に1日だけ。そんな親が金持ちの人は、週6〜7日バイトしなければならない親が金持ちでない人と比べて上達するのは当然だと吐露した。
そして、「音楽で食いたいなら、親に頭下げて30歳まで僕にお金を下さいと言って、きちんと努力すれば、金のない奴には太刀打ちできないし、一番早い」という恩師の言葉を紹介。バイト経験のない音楽家が業界にはたくさんいると明かした。
また、親が金持ちでない人にはハングリー精神があるという意見についても、元々同じ意見だったというが、30歳間近になり「もし辞めることになっても別に金がある」という心の余裕は、音楽に対して有利に働くと告白。
その一方で、親が金持ちである音大生は遊び呆けている人も多く、結局音楽家として生計を立てられる割合は一般家庭との差は大してないとも。ただし、音大で同じ努力値で同じ活力を持った人が争った場合は確実に親が金持ちの方が勝つ、とその作曲家は綴った。
27日に投稿されたこのツイートは現在1万7000リツイートを突破し、大きな話題に。「昔のバンドマンはみんなボンボンだった」「子どもは生まれてくる家を選べない」「親から重課金」などのコメントが寄せられた。
親の年収で子どもの学力テストが20点以上の差
お茶の水女子大学の研究チームが2017年、全国学力テストを受けた小6と中3の保護者12万人を対象に行った調査によると、概ね保護者の年収の高い家庭の子どもほど高い学力を持っていることがわかった。特に小6の算数Bにおいては、親の年収が最低(200万未満)と最高(1500万円以上)を比較すると、20点を以上の点数の開きが出た。
子どもの学力は親の年収以外の要素ももちろんあるだろうが、高い年収の家庭の子どもは塾に通うなど恵まれた環境に身を置けることは、容易に想像できる。音楽であれ勉強であれ、才能が開花できるか否かは、やはり生まれた環境に大きく依存せざる得ないようだ。