Photo By Shutterstock
文:岩見旦
ステレオタイプなイメージだが、都会に住んでいる人はもやしっ子で、地方に住んでいる人は屈強という印象がある。筆者と同じ考えの人も多いだろう。しかし実際は逆なのではないかという意見がSNS上で注目を集めている。
地方在住者は車に慣れすぎ? Twitterに意見相次ぐ
事の発端は、Twitterユーザーのあかつきさんの投稿。過去に東京に住んでいて、現在は地方で勤務しているあかつきさんは、この2つのライフスタイルを比較。「都会っ子は軟弱」というイメージは間違っていると指摘し、都会に住んでいる人よく歩くが、地方に住んでいる人は車に慣れてほとんど歩かないと持論を展開した。
16日に投稿されたこのツイートは現在、1万5,000件を超えるリツイートを記録。「地方では、ほんの数百メートル先の公民館にみんな車でやってくる」「車が無いとコンビニにも行けない」「確かに田舎暮らしを始めて軟弱になった」「東京の人はよく歩く」といった賛同の意見が殺到した。
確かに都会では多くの人が電車を利用しており、自宅や会社から駅までの移動や乗り換えで相当な距離を歩く。一方、移動手段のベースが自動車である地方では、ほとんど歩かないようにも感じる。
都会より田舎の方が歩いていない。厚労省データから明らかに
本当に地方に住んでいる人は都会に住んでいる人より、歩いていないのだろうか? 厚生労働省が行った「平成28年国民健康・栄養調査報告」によると、東京・神奈川・京都・大阪といった都市部では、1日の身体活動量(歩数)の平均値が男女ともに、全国平均を上回ることが分かった。成人男性の全国平均は7,779歩で大阪が8,762歩と最も多く、また成人女性の全国平均は6,776歩で神奈川の7,795歩が最も多い結果となった。
こちらは、都道府県別の歩数平均値を色の濃淡で表した地図だ。やはり、都会ほどよく歩き、地方ほどあまり歩かない傾向があるようだ。
「平成28年国民健康・栄養調査」を基に国立健康・栄養研究所が作成
下の地図はBMIの平均値を同様に表したものだ。BMIとは、人の身長と体重から算出される数値で、肥満の目安となる。上の地図と比較すると、歩数の平均値が高い地域ほどBMIの平均値が低いという相関が見られる。特に東北地方は歩数が低く、BMIが高い。日々の運動量と肥満の因果関係が読み取れる。
「平成28年国民健康・栄養調査」を基に国立健康・栄養研究所が作成
「都会っ子は軟弱」は過去の話。これからは「田舎者は軟弱」が新しい通説になるのかもしれない。