文:岩見旦
刑務所の受刑者たちが車の中に閉じ込められた赤ちゃんを救出した。この鍵の締まった車のドアを開けることが出来たのは、囚人たちだけが “あるテクニック”を持っていたからだ。
車の中に閉じ込められた1歳の赤ちゃん
米国フロリダ州で今月14日、公判前手続きのための裁判所に車で訪れた夫婦と1歳の赤ちゃん。その裁判所の駐車場で、父親が赤ちゃんを後部座席に座らせた後、誤って車内に鍵を置いたままドアを締めてしまった。
ドアはロックが掛かってしまい、中にいた赤ちゃんが閉じ込められてしまう事態に。裁判所から出てきた保安官が、どうにか車のドアを開けようとするが、びくともしない。
受刑者たちが車上荒らしのテクニックで車のドアを開ける
すると保安官の一人が、近くで社会奉仕活動のため、中央分離帯の修理作業を5人の受刑者たちが行っていることに気付いた。助けを頼むと、すぐに駆けつけた受刑者たち。
そして、受刑者たちは洋服のハンガーを使い、車上荒らしのテクニックで、ドアのロックを解除しようとします。なんと、たった2分でドアを壊すことなく、鮮やかな手口でドアをこじ開けることに成功。赤ちゃんが救い出されると、周りからは大きな歓声が上がった。
この様子をスマホで撮影していた母親は、その一部始終をFacebookに投稿。20万回も再生され、大きな話題を集めた。母親は「本当にありがとう。そして5人の受刑者に感謝している」とコメントしている。
天才的な金庫破りの技術を持った元・銀行強盗が、金庫に閉じ込められた子どもを救うため、刑事の目の前で金庫を開けるオー・ヘンリーの短編小説『よみがえった改心』を想起させるようなエピソード。技術は使い方次第で善用にも悪用にもなる。そんな教訓になる話だ。