文:岩見旦
テニスの四大大会・全豪オープンを制した大坂なおみ選手。1月28日にWTA(女子テニス協会)が発表した世界ランキングで1位を獲得するという、アジア勢で初の快挙を達成した。
大坂選手の大躍進が脚光を浴びる中、全豪オープンでは日本人選手がもう一人、圧倒的な活躍をしたことをご存知だろうか? SNS上ではもっと評価されるべきだと話題になっている。
上地結衣選手、全豪オープンで2年連続準優勝に輝く!
注目を集めているのは、車いすテニス選手の上地結衣選手。全豪オープン車いすの部で、上地選手は女子シングルスにおいて準優勝に輝いた。
女子シングルスの決勝に進出した上地選手は、オランダのディーデ・デフロート選手に0-6、2-6で破れ、2年連続の準優勝となった。
上地選手は、自身のFacebookで「こんなにボコボコにされたのは久しぶりで凹みました」と心情を吐露し、「現地でサポートしてくださったコーチ、トレーナーをはじめ応援してくださった皆様ありがとうございました」と感謝の気持ちを述べた。
上地選手は、兵庫県出身の現在24歳。先天性の潜在性二分脊椎症で、成長とともに車いすを使用するように。11歳から車いすテニスを始め、2014年には、史上最年少でダブルスの年間グランドスラムを達成。2016年のリオパラリンピックでは、シングルスで銅メダルを獲得した。
「大々的に称えて欲しい」上地結衣選手の活躍に応援の声続々!
そんな上地選手の全豪オープンでの活躍に、SNS上では称賛のコメントとともに、評価がついていっていないとの声が上がった。
1月26日にあるTwitterユーザーが「車椅子テニスで上地結衣選手が準優勝したことも大々的に讃えて欲しい」とツイート。この投稿は2万を超えるリツイートを記録した。
このツイートに、「もっとこのことを報道すべき」「これは拡散されるべき」「同じ車いすユーザーとして勇気が湧く」など、多くの反響が寄せられた。さらに「障害への考え方で日本が後進国なことを突きつけられる」「錦織圭、大坂なおみ、国枝慎吾、上地結衣らの世界ランカーが同時代に存在している日本は、実はテニス王国」といった意見も。
電通2020プロデュースセンターの実施した「パラリンピックに関する意識調査」によると、パラリンピックの観戦者は増加傾向にある。2020年東京パラリンピックで観戦したい競技の1位に「車いすテニス」が上がった。
2020年の東京パラリンピックでは、今以上に上地選手へ熱い視線が集まることを期待したい。
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