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あなたは英語で自分の意見を発表することに自信があるだろうか? 多くの日本人にとって、スピーキングは簡単なことではない。その理由は、単純に英語を使ったディスカッションやスピーチをする機会がないからだ。そこで今回は、プレゼンや会議できちんと伝わる英会話を習得するために必要な3つのステップを紹介する。目標設定とトレーニング方法、そして聞き手を意識した話し方について確認していこう。
文:関口雄太
ステップ1:まずは具体的な目標を決める
英語習得への近道は「具体的な目標を設定すること」である。例えば、香港の投資銀行で活躍するチュン・ヒン氏は、英語習得のコツについて以下の3点が大切だと語っている。
1. 特定の目的を定める
2. 学習習慣を作る
3. 自分にはできると信じる
つまり「英語が話せるようになる」といったあいまいな目標ではなく、「今年の8月までにセールスマーケティングについて10分間のプレゼンでパワーポイントを使いながら流暢な英語を話せるようになる」のような具体的な目標設定が効果的だという。
英語を学ぶ習慣については、「1日のどこかの時間を使って興味がある産業についての記事を1つ読む」といったことを推奨している。毎日は難しいという場合は、週に1回でかまわない。英語に触れる習慣をつけることが大切である。
目標と習慣ができたら、あとは継続して達成できると自信をもつだけ。精神論めいた話ではあるが、適切な目標と習慣が設定できていれば、自信をもてるはずである。逆に、続けられなさそう、もしくは達成できなそうだと感じるのであれば、目標の難易度が高すぎる。レベルを少し下げるなどして、自信がもてる程度に調整してみよう。
ステップ2:スピーキングトレーニングは1分あればできる
スピーキングのトレーニング方法が具体的にわからないという場合は、描写トレーニングをしてみるのはどうだろう。方法は簡単である。必要なのはスマホ1台。まず、レコーダー機能で音声を録音する。そしてタイマーを1分にセット。あとは目の前にあるものを英語で表現するだけだ。
たとえば、目の前にリンゴがあったとしよう。「赤色をしている」「丸い形をしている」といった単純な表現を繰り返す。1分が経過したら録音をストップして、自分の発音や言いたいことが表現できていたかを確認すればいい。英語表現に不安がある場合はGoogle翻訳を活用して、文法や単語に問題がないかチェックするのもいいだろう。
応用編としては「ゴミのポイ捨てはなぜ悪か」「満員電車を減らすためにはどうすべきか」といった、何らかの意見を述べるようなテーマ設定で同じことをしてみる。最初のうちは「えーっと」「あー」など、なかなか英語が出てこないが、続けていくうちに英語でしゃべることに慣れてくるはずだ。もちろん、並行して英単語や英語フレーズを覚える必要はあるが、このトレーニングを実践していくことで、覚えたての英語を実践的に使用できるため、記憶に定着しやすいというメリットもある。
ステップ3:ゆっくりと話すだけで伝わる英語になる
冒頭で紹介したヒン氏の英語上達法からもわかるとおり、英語を習得することは長い道のりである。しかしちょっとしたコツを知っておけば、"伝わる英語"を話すことは可能だ。高度な表現や高尚な英単語を使いこなすまでには時間がかかっても、伝わる英会話のコツはすぐに実践ができる。ビジネスコーチをしているデボラ・グレイソン・リーゲル氏が提案する、英語でプレゼンテーションをする際のテクニックを紹介しよう。リーゲル氏は、ノンネイティブスピーカーのためのアドバイスを以下のように提示している。
・スライドを工夫するより発表の練習に時間をかける
・英語のなまりを気にせず、ゆっくりと話す
・適度な間を入れて話す
プレゼン発表では、ついついスライド作成に力が入ってしまいがちである。しかし英語プレゼンでは、発表の練習に時間をかけるべきである。意味が通じる英語フレーズと適切な英単語を繰り返し口に出す。日本語でもスピーチの原稿を用意している人は多い。スライド作りよりも、発表する英語を頭に入れることを優先すべきだ。
次に、英語のなまりに気を取られてはいけない。"ジャパニーズ・イングリッシュ"という表現があるように、日本人がしゃべる英語は独特である。アメリカ英語やイギリス英語に慣れている人がほとんどであるが、なまりのある英語が聞き取れないわけではない。ゆっくりと英語を話すことが大切である。それは聞き手への配慮であり、より的確に内容を伝えやすくすることでもある。
そして、適度な間をはさんでみよう。間をつくることで、聞き手には時間の余裕ができる。つまり話を理解しやすくなる。内容をきちんと伝えるためには、聞き手の理解に気を配り、ゆっくりと話すことが大切である。
目標、訓練、配慮。これだけで英語は話せる
具体的な目標設定と継続的なトレーニングがあれば誰でも英語を身に付けることはできる。そして、聞き手を配慮したていねいな英会話を行えば、きちんと内容は伝わる。ここで紹介した3つのポイントをもとに、英語習得に向けて適切な行動ができているか見直してみるのはどうだろうか。半年後には、きちんと伝わる英会話ができるようになっているはずだ。