宮崎大輔
1988年長野県生まれ。信州大学大学院農学研究科で修士号を取得後、2013年からJICAの青年海外協力隊に参加。中米パナマ共和国で農業指導を2年間行う。2015年からフリーランスになり日本、東南アジア、南米、アフリカの案件に農業コンサルタントとして従事。またノマド生活をしながら、世界中でスナップ写真やポートレート写真を撮影中。ブログ「JIBURi.com」 http://jiburi.com/
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バスクの中心地ビルバオ
マドリードを旅立ち、次の目的地はバスク地方。バスクはスペイン北部に位置していて、地域独自の文化や伝統が強く残っている場所です。例えば、街中の看板や駅ではスペイン語とバスク語の2つの文字が併用されていました。またビルバオを本拠地に置くアスレティック・ビルバオというサッカーチームは、バスク出身の選手だけで構成されています。
バスク地方で一番大きな都市がビルバオです。ビルバオに滞在しているときには、バル巡りが毎日の日課でした。朝はバルでクロワッサンとコーヒーで軽めの朝食。そして夜になったらカウンターで立ったままピンチョスという串が刺さった軽食をつまんで、ビールかワインを1杯だけ飲んで次の店へ移動。こうやって一晩に何軒もバルを巡りました。日本ではこんな飲み方はしませんが、スペインのバルではこの飲み歩き方が一般的なんですよね。特に気に入ったピンチョスは、椎茸に生ハムと海老が乗ったもので本当に絶品でした。スペインではどの街にもバルが必ずありますが、中でもビルバオのバルはどこもレベルが高かったです。
歴史を感じるカスコ・ビエホ
ビルバオの中で特にお気に入りだったのが、カスコ・ビエホ地区。ここは旧市街で、新市街から見ると川の対岸にあります。そのため、歴史を感じる古い建物が多く、レトロな町並みが好きな私には最高の撮影スポットでした。
サンティアゴ大聖堂を中心に細い路地が張り巡らされていて、まるで迷路のようです。大きく曲がった川に周囲を囲まれていることもあり、「ひょっとして昔は要塞だったのかも!?」と妄想を駆りたてられました。
バスク地方は雨が多いことで有名で、私が滞在している間も雨が毎日降っていました。雨が降っていると写真撮影ができないと思われるんですが、実は街中のスナップ写真を撮る場合にはむしろ雨の日の方が良い写真が撮れます。例えば、雨に濡れた道路や水滴がついた窓ガラス、傘を差した通行人がその町の雰囲気をさらに味わい深いものへと増幅してくれるからです。
そういえば、雨が多いバスク地方でちょっと面白い物を見つけました。それは雨が降っていても屋外で洗濯物が干せるグッズです。洗濯物干しの上に傘が着けられていて、これが街中のアパートのベランダにかけられていました。スペインの他の地域では見なかったので、きっと雨が多い地域ならではのアイデア商品ですね。
ポルトゥガレテの世界遺産ビスカヤ橋
バスクに来たらぜひ立ち寄ってほしいのが、世界遺産のビスカヤ橋。ポルトゥガレテという場所にあり、街のシンボル的な存在です。ビスカヤ橋は移動式の吊り橋で、人や車をコンテナに乗せて対岸まで運んでいます。その様子も非常に面白いので、ぜひコンテナに乗って運搬されてみてください。
また吊り橋の上に登ることもでき、そこからの眺めが最高でした。橋の上からはプエルト・ビエホという古くて綺麗な建物が並んだ地域を見ることができます。ただし、風が吹くと橋の上は揺れるので、高い所が苦手な人は気をつけてくださいね。
美食の街サン・セバスチャン
時間に余裕がある人は、サン・セバスチャンまで足を運んでみてはいかがでしょうか。バスク語ではドノスティアとも呼ばれています。ビルバオからバスに乗れば1時間半くらいで到着。入江の形をしたビーチが美しい町で、高台にある展望台まで登ればビーチと街町が一望できます。海沿いの道を歩いていると、ビーチで日光浴している人やサーフィンを楽しむ人の姿があり、その光景を眺めているだけでもなんだか幸せな気持ちになりました。
また「世界一の美食の街」として有名で、世界中から美食家たちが集まっています。なんでも人口あたりのミシュランの星の数が、世界で一番多い町なんだとか。素晴らしいレストランやバルが多いので、ぜひ食事を楽しんでください。