LIFE STYLE | 2019/04/19

手の指を追加する人工装具「第3の親指」がSNSで話題に。身体を拡張するガジェットの可能性

文:岩見旦

突然だが、あなたは手に何本の指があるだろうか?

人は一般的に、5本の指が備わっている。しかし、そ...

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

文:岩見旦

突然だが、あなたは手に何本の指があるだろうか?

人は一般的に、5本の指が備わっている。しかし、そんな常識を打ち壊すべく新たなガジェットが開発された。「第3の親指」と名付けられた人工装具が今、SNS上で話題になっている。

イギリスの大学院生が開発

指を6本に拡張することで、機能性を高めるプロジェクトが「The Third Thumb(第3の指)」だ。英国カレッジ・オブ・アートの大学院生、ダニ・クロードさんが制作した。

3Dプリンタで出力した親指のガジェットを、小指の横に装着。靴の中に仕込まれた特殊なセンサーを踏み込むことで、親指を操作することができる。センサーからBluetoothでリストバンドに信号が送信され、2つのモーターを動かし親指を操作するという仕組みだ。

足で操作することに違和感を覚えるかもしれないが、自動車の運転やミシンの操作、ピアノの演奏など、私たちの身の回りには手と足をつなぐ製品が既にあるとクロードさん。

こちらの動画では「第3の指」を動かすことで、スマホのタッチパネルを操作したり、トランプをめくれることなどが確認できる。さらにはギターを演奏することも。実際に装着している人はみんな驚き、そして笑顔になっている。

「完全にサイボーグ」SNSで話題騒然

科学コミュニケーションデザイナーとして活動するお笑い芸人の黒ラブ教授が15日、自身のTwitterに「使いこなせる自信ある?」というコメントと共に、この第3の指を紹介。

この投稿は約1万5000件のリツイートを獲得し、「使ってみたい」「完全にサイボーグ」「ついでに腕2本ほしい」など、驚いた人からのコメントが寄せられた。また、音楽を演奏するゲームのプレイヤーからは「6つの鍵盤が片手で押せる」「ビートマニアがやりやすそう」などの意見も挙がった。

最新のテクノロジーを駆使し、人間の身体や認知を拡張しようという「トランスヒューマニズム」という思想がある。人体を直接改造するようなラディカルなものでなくても、より手軽により利便性の高い身体拡張の技術進化は今後起こる可能性は高く、おそらく私たちの生活に浸透するだろう。

現在は「第3の指」を製品化する予定はないとのことだが、適切なパートナーが見つければ、製品化も視野にあるとクロードさん。販売された際には、6本指で原稿を書くことができるか、トライしたい。