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文:岩見旦
いざ結婚式を開くとなると、大変なことばかり。参列者の座席を決めて、ウェディングドレスを選んで、引き出物を準備してと、やることは山積み。マリッジブルーになる暇もないだろう。
そんな中、結婚式をスマート化したITベンチャー社長の投稿がSNS上で注目を集めている。
ウェブの招待状サービスを利用し、コストカット
話題の結婚式を開催したのは、AI転職マッチングアプリ「GLIT」の開発・運営などを手掛ける株式会社Carat代表取締役社長の松本直樹さん。松本さんは結婚式の招待状をウェブのみにしたという。
松本さんが使用したのは、無料の招待状サービス「Biluce(ビルーチェ)」。ウェブ上で作成した招待状をLINEやFacebook、メールなどで送信。出欠の集計などがウェブ上でできるサービスだ。また、事前に会費をクレジット決済することができ、結婚式の前にご祝儀を受け取る機能もある(クレジット決済は5%の事務手数料が掛かる)。
新郎新婦・参列者、両者にメリット
松本さんは招待状のウェブのみにした理由を、招待状に掛かる予算のカット、招待状の送付や出欠の確認が簡単と挙げた。また参列者にとっても、出欠の返事が簡単とのメリットがあり、ご祝儀をクレジットカードで決済できることで、当日荷物なしでも参加できると述べた。
確かに参列者は、招待状の「ご出席」の「ご」を二重線で消すといった複雑なマナーやご祝儀袋の購入代金、ピン札を用意する手間から解放されることになる。一方、新郎新婦側にとっても松本さんが挙げた理由の他、一時的とはいえ数百万円にも上る現金を管理する煩わしさから逃れられる。両者にとってメリットのあるサービスと言えるだろう。
現金でのご祝儀にも対応
松本さんはご祝儀をクレジット決済だけでなく、当日の現金での受け渡しにも対応。現金派の人やクレジットカードを持っていない人にも応じたという。実際にこのウェブの招待状を実施してみたところ、親族や友人からの否定的な反応もなかったとのこと。いかにもITベンチャーの社長らしい合理的なやり方とか思いきや、松本さんの奥さんの提案だったというから驚きだ。
松本さんが13日に投稿したこのツイートは、現在7600件のリツイートを記録。「クレカ決済は画期的」「スタンダードになってほしい」「ご祝儀泥棒に遭ったので推奨したい」「ご祝儀QRコードも作りたい」など、ポジティブな反応が見られた。ご祝儀袋を用意して袱紗に包む伝統的な結婚式もいいが、余計な手間を掛けないスマートなウエディングがより今のニーズに沿っているのかもしれない。