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バンクシー作品の真贋を証明する仕組みもまさにアート! 破れた偽札がホチキスで止められた証明書
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  • 2019.04.04
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バンクシー作品の真贋を証明する仕組みもまさにアート! 破れた偽札がホチキスで止められた証明書

Photo By Shutterstock

文:岩見旦

正体不明の世界的アーティスト、バンクシー。昨年、ロンドンのオークションで、バンクシーの作品『風船と少女』が1億5000万円で落札された直後、額縁に仕込まれたシュレッダーで作品が裁断され、世界を驚かせた。

今年1月には、ゆりかもめ日の出駅近くの防潮扉に、バンクシーの過去作と似たネズミのイラストが登場し、バンクシーが日本に出没したかと話題になった。

そんなバンクシー作品の真贋を証明する認証システムは、作品さながらのユニークなものだ。

匿名性がゆえ、捏造されるバンクシー作品

かつてバンクシーがオンラインでシルクスクリーン版画を販売し始めたことがある。しかし開始早々、すぐにバンクシーは捏造販売者のターゲットとなった。

通常、アート作品を販売する際は、ギャラリーが本物であることを認証するため、証明書を発行し、顧客を安心させる。しかしバンクシーの場合、その匿名性がゆえ、問題を複雑にしていた。作品の出処を証明するのが困難だったのだ。

さらに、さまざまなギャラリーが独自のバンクシーの証明書を発行し、彼の権威になろうと競い始めた。そのことは、捏造販売者にとってさらに都合のいい状況となった。

ユニークなバンクシー作品認証システム

そこでバンクシーは2008年、自分の作品を認証するために非営利団体「ペスト・コントロール」を設立した。ウィル・エルスワース・ジョーンズによる書籍『バンクシー:ザ・マン・ビハインド・ザ・ウォール』の中で、バンクシー作品の認証システムを紹介している。

その方法とは、まず作品の高解像度の画像をペスト・コントロールに送り、もし本物だと認められた場合、手数料65ポンドを支払うことで証明書が発行される。その証明書には、半分に破られたダイアナ妃の顔の10ポンドの偽札がホチキスで止めてある。その偽札には手書きでID番号が書かれており、ペスト・コントロールの保持しているもう半分の偽札と一致させることで真贋を確認するという仕組みだ。

バンクシーの証明書

捏造を防ぐバンクシーの認証システム

このシステムを運用することで、ペスト・コントロールは、証明書を発行したバンクシー作品の所有者のリストを所持することになる。

仮に、何らかの方法でこの偽札を精巧に複製し、証明書を捏造した人がいたとしても、ペスト・コントロールの持っているもう半分の偽札のリストからバンクシー作品の所有者を確認することができる。

バンクシーの作品を誰かから購入する時、ペスト・コントロールのサイトに行き、所有権の変更を申し込む必要がある。申請をすると、ペスト・コントロールが所有者に連絡し、その意思を確認する。もし販売する意思がない場合、そこで証明証の捏造を確認することができるのだ。

この独特なバンクシーの認証システムも、まさに彼の作品の一つなのかもしれない。


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