ITEM | 2019/01/08

気になる人の、読みたいトピックだけを閲覧できる日本発の新SNS「Trickle」

文:武者良太
「いいね」もメンションもない新たなSNS
Twitterとも違う。Facebookとも違う。もちろんI...

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文:武者良太

「いいね」もメンションもない新たなSNS

Twitterとも違う。Facebookとも違う。もちろんInstagramとも違う。まったく新しいSNS「Trickle(トリクル)」が誕生した。公式サイトの表記が英語から始まるので海外製アプリかと思う人もいるかもしれないが、クックパッドに勤務する丸山亮氏が個人名義で開発したアプリである。

先に挙げた3つのSNSは、基本的にユーザー1人ひとりに対してフォーカスするカルチャーが醸造されている。発言内容が好きだから、アップロードしている写真やイラストが好きだから、そのユーザーをフォローしたり、「いいね」をするシステムが備わっている。

しかし「Trickle」は違う。ユーザー個人ではなく、各ユーザーが作成したトピック(テーマ)ごとに注目するシステムとなっている。たとえば夜景写真というトピックがあれば、そのトピックには夜景写真に関する発言だったり、写真ばかりが集う場所となる。

ゆえに「Trickle」に参加する際は、自分の興味のあることをカテゴリ・ジャンル別にトピックを作ることからはじまる。

なお「いいね」のような単純な評価をつける機能はない。メンションもリプライ機能もない。備わっているのは前述したトピックの作成機能と、他のユーザーが作成したトピックをフォローするサブスクライブ。ハッシュタグをフォローするのとは異なり、特定のユーザーの特定の書き込みのみを一同にまとめて表示することが可能だ。

たとえばA氏とB氏の旅行に関する書き込みと、C氏の外食情報をチェックしたい。けれども他の人の旅行情報、外食情報は見なくていいといった時に、サブスクライブ機能が使える。

またリンク機能も特徴のひとつだ。これはTwitterでいう引用RTに近いもので、気になったトピックの特定の発言(アクティビティ)を、自分の発言に関連付ける機能となっている。使い方によっては気になったアクティビティをブックマークする、いいねの代わりとして使うことが可能だが、そこには常に、自分の発言が入ってくるのが大きな特徴となる。

「Trickle」がリリースされたのは2018年11月。まだ生まれて間もないSNSだ。故に参加ユーザー数はまだ少ない。しかし趣味趣向を1つずつ切り分けて発言をストックできるシステムは、同じ趣味の人を集め、その趣味に関することだけを発言してコミュニケーションできる可能性を秘めている。

またコミュニケーションスピードもコントロールしやすい。Twitterのハッシュタグのように、スピーディな展開が苦手なユーザーは、「Trickle」の緩やかなスピード感にハマるかも知れない。

Twitter疲れ、Facebook疲れな人にこそアクセスしてほしいSNSといえる。


Trickle(iOS)

公式サイト

気兼ねなくアクティビティを書き留められるTrickleというサービスをリリースしました(制作者である丸山亮氏のブログ)