CULTURE | 2023/06/26

「木」は家具以外の何かにもなれた?デザイナーが「人間とマテリアルの関係性」を紐解く展示『Material, or 』が7月14日から21_21 DESIGN SIGHTで開催

文:FINDERS編集部
意味づけ前のマテリアルに立ち返り、材料の可能性を広げる
デザイナーの吉泉聡がディレクターを...

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文:FINDERS編集部

意味づけ前のマテリアルに立ち返り、材料の可能性を広げる

デザイナーの吉泉聡がディレクターを務める展示『Material, or 』が7月14日から11月5日まで東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催される。

本展のコンセプトは「私たちとマテリアルのつながりを、地球をめぐる果てしなく広大な物語から読み解き、再発見を試みる」としている。

普段の生活の中で接する「もの」のほとんどは、人によってデザインがなされている。そして、その過程において「素材」もまた、それ自体何の意味も持たなかったはずの「マテリアル」から何らかの意図を持った「素材」として意味づけされるプロセスが含まれていると吉泉氏は主張する。「座りやすそうな木製の椅子」など誰かが意味付けをした「素材」について意識を巡らすことがあったとしても、原初的な感覚として「生命感のある木」という感覚まで立ち戻って思いを巡らせることはほとんどないためだ。

本展はこのような視点から、人とマテリアルの繋がりや関係性について探り、「マテリアルへの意識を更新すること」を目指す。デザイナーによるプロダクト、アーティストによるマテリアルと対話したことで生まれる表現、工芸作家による祭具や民芸品、そして人の視点にとらわれない動植物や有機物によるアプローチなど、さまざまな事例が紹介される。

展覧会企画チームが写真家ゴッティンガムとともに海岸で撮影した本展のイメージビジュアル/Photo: Untitled (Your Materials #63–126), 2023 © GottinghamImage courtesy of Nippon Design Center and Studio Xxingham

そして、芸術人類学者の石倉敏明とバイオミメティクスデザイナーの亀井潤を企画協力に迎え、人間と自然の関わりについて人類学の観点から紐解き、物理学や化学などの知識を取り入れることで新たな材料の開発などを行うマテリアルサイエンスがもたらす新たな感覚についても探っていく。

展示では、3つの視点でマテリアルの繋がりを読み解いていく。

まず「マテリアル」が「素材」として意味づけされるという視点で捉える。「マテリアル」は、思考によって意味づけられる一方、触れることでも意味を見出してきた。デザインやアート、暮らしのなかで生まれた手仕事などから有史以来行われてきたその行為について紹介する。

次に、マテリアルを通して世界との関係性について探る。マテリアルを素材としているのは人だけでなく動植物も同じで、人と動植物、動植物と人工物といった関係性から生まれる成果物を取り上げ、世界とつながるきっかけに焦点を当てる。

最後の視点として「人がマテリアルとの関係を更新する事例」に迫る。マテリアルと人や動植物は「共異体」として世界と絡まり合っていると捉えればものをつくる視点や態度は大きく変わるはずだとして、新しい視点や技術をもって、マテリアルとの関係を更新した素材やその取り組みを紹介する。


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『Material, or 』
期間:2023年7月14日(金)〜11月5日(日)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
料金:一般1400円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料