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ITEM | 2022/07/16

大人のロマンくすぐる、オールメタルボディが美しい“ハイエンドボールペン”「stilform Pen」

文・写真:赤井大祐(FINDERS編集部)
スマホやPC、タブレットでのメモが主流となり、手書きでメモをとる機会が減っ...

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文・写真:赤井大祐(FINDERS編集部)

スマホやPC、タブレットでのメモが主流となり、手書きでメモをとる機会が減った。

確かにデジタルのメモは共有、編集、画像の挿入やリンクの付与など非常に「機能的」であり、どこを切っても「便利」な代物だ。その点、ボールペンの機能はといえばインクで文字や絵が書ける、といった程度。あとはせいぜいペン回しに使うあたりが関の山だ。いつ淘汰されてもなんら不思議はない。

しかし、そんな中でも製作者の美学や意思を感じるプロダクトは力強く支持者を集め続ける。

ライカやメルセデスに続く次世代の「名品」となるか

ドイツ・ハンブルクに拠点を置く「stilform」は、文房具から工業製品まで幅広く手掛ける、2013年に立ち上げられた気鋭の筆記具メーカーだ。

ドイツといえば言わずとしれたプロダクトデザイン大国であり、万年筆の「モンブラン」や「ライカ」「メルセデス・ベンツ」といった、時代を超えて愛される名品を生み出し続けている。

そんな中で、次なる「名品」となるべく生まれたボールペンこそが「stilform Pen」だ。

やはり、これといった機能はない。しかし手に取ってみると普通ではないことがわかる。確かな手触りと心地よい重量感。手の中に収めるだけで安心感すら覚える。

ボディの素材は航空機の機体やエンジンにも使われるチタニウムだ。鉄の60%ほどの重量だが、強度は2倍。耐食性にも優れるので海水につけても錆びることはない。また、ボディ以外に使用されている素材もすべて金属という徹底ぶりだ。 

人間が最も美しいと感じやすい比率である「黄金比」に基づいて設計されたボディは取っ掛かりの少ないデザインであるが、独特なザラつきによって手から滑り落ちるのを防いでいる。

そして、触っているうちに「stilform Pen」の少々特殊な構造が、この質感に一役買っていることもわかってきた。

本体ペン先側の半分を持ち手側に向けてスライドすることで、ペン先が現れる仕組みとなっている。つまりノック式のボタンやキャップなど、余計な凹凸の一切を取りはらったことで、独特な質感を実現している。

そしてこの機構が妙に癖になる。スライドする際に感じる小気味よい音と感触は、本体内部に仕込まれたネオジム磁石によるものだ。ツメなどにひっかけているわけではないのでパーツの摩耗もほとんど発生せず、長い年月にわたって使い続けることができる。ドイツらしい、堅牢で美しいデザインだ。

書き心地も申し分ない。リフィル(替え芯)はドイツにて1938年創業の、筆記具やセンサーなどの開発に取り組む名門、シュミット・テクノロジー社との共同開発によるものを使用。もちろん、同じ規格であれば国産品などでも代用は可能だ。

アルミニウム、真鍮モデルも

冒頭でチタニウム製と紹介したが、「stilform Pen」はこの他に、アルミニウムと真鍮を用いたモデルも存在する。

アルミニウムはチタニウムよりやや軽いが、手触りは同様にしっかりとしたものだ。航空機にも使⽤されるグレード6のアルミ合⾦を加工して作られているというのもうなずける。

真鍮は3つのうち最も重たいが、やはり絶妙に心地よい重量に収まっている。むしろ重たい分、手に取っていたい時間は長くなるかもしれない。

そしてスタンド。こちらはチタニウム製で、ずっしりと重たい。内側には滑り止めのシリコンゴムが仕込まれており、多少雑に入れてもしっかりとホールドしてくれる。

「stilform Pen」は国際的にも非常に高い評価を得ていることも付け加えておきたい。世界3大デザインアワードとして名高い「レッド・ドット・デザイン賞」「iFデザイン賞」などを受賞しており、「レッド・ドット・デザイン賞」ではその年の「Best of the Best」も受賞している。

ここまで筆者が実際に「stilfor Pen」を手にとって感じた魅力を記してみたが、やはりこれといった「便利な機能」がないことはわかっていただけただろう。もし便利にメモが取りたいなら、スマートフォンを使えばいい。しかし、いやだからこそ、美学も矜持も捨て去った「便利な機能」であふれかえる現代社会において、上質なプロダクトに対して自身の審美眼で価値を見いだす、という極めてシンプルな喜びを取り戻してみようではないか。

「Stilform Pen」クラウドファンディングサイトCAMPFIREにて購入することが可能。プロジェクトは7月31日まで行っている。

ちなみに今夏には、同社の最新モデル「stilform AEON」がリリース予定。インクではなく金属で筆記するため、“半永久的”に使用可能なペンだということだ。こちらも続報を待ちたい。


「オールメタル×磁石」次世代につなぐ黄金比筆記具|ドイツ「stilform」