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Amazon.com やAlphabetと肩を並べるほどに株価を急伸させたMicrosoft。最新のMR技術を搭載した“ホロレンズ ”や高い精度を誇る“AI”が投資家の注目を集める。
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  • 2018.08.07
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Amazon.com やAlphabetと肩を並べるほどに株価を急伸させたMicrosoft。最新のMR技術を搭載した“ホロレンズ ”や高い精度を誇る“AI”が投資家の注目を集める。

Microsoft HoloLens

Microsoftの株価が史上最高値を付けている。8月6日時点の時価総額は8,292.21億ドルと、Googleの親会社であるAlphabetの8,521.11億ドルに迫る勢いだ。Amazon.com(8,913.30億ドル)の背中も見えてきた。今後しばらくは、Appleに続いて時価総額1兆ドルを突破する2番目の企業の座を巡り、Microsoft、Amazon.com 、Alphabetの3社は熾烈な競争を繰り広げることだろう。

一時はスマートフォン市場におけるソフトウェア戦略を見誤り、AppleやGoogleに大きく遅れをとってしまったはずのMicrosoftが、なぜ今、Amazon.com やAlphabetと肩を並べるほどに株価を伸ばしているのだろう。その意外なほどの好調さに戸惑いを感じる人も少なくないのではないか。

文:伊藤僑

ナデラCEOの手腕が目覚ましい成長を牽引

英紙ファイナンシャルタイムズ(FT)によれば、Microsoftが好調を続ける理由は、サティア・ナデラCEOの手腕によるものが大きいという。

Microsoftの主要な事業は、Officeシリーズを手掛ける「プロダクティビティ&ビジネスプロセス部門」、クラウドサービスのアジュールを中核に据えた「インテリジェント・クラウド部門」、WindowsやXbox、広告収入などからなる「パーソナル・コンピューティング部門」の3部門に分かれている。

このうち、特に好調と言われるのがクラウド関連事業だ。今年1~3月期の売上高を見ると、これまでクラウドサービス分野をリードしてきたAmazon.comが約54億ドルだったのに対し、Microsoftは約60億ドルと逆転に成功している。

ビジネスの主軸を、旧来のソフトウェア・ライセンスで稼ぐビジネス形態から、クラウドへのトラフィックから利益を得る形態へと大きく転換することで、新たな成長力の源泉を手に入れたのだ。

VR、ARの発展系“MR”に市場の期待が集まる

巨大企業を再始動させるための変革はR&D(研究開発)分野にも及んでおり、売上高の14%にあたる年間1兆円もの巨費を投資しているという。中でも同社が注力していると言われるのが、「MR(Mixed Reality 複合現実)」と「AI(人工知能)」だ。

AIや「VR(仮想現実)」、「AR(拡張現実)」ほど知られているわけではないのに、なぜ「MR」に市場の期待が集まるのだろうか。その理由は、映画やゲームのようなエンターテイメント分野だけでなく、医療・教育・建築などの幅広い分野における活用が期待されている技術だからだ。

MRでは、ゴーグル型のヘッドセットを装着することで現実の空間に3D映像を表示させ、現実世界と仮想世界を融合させている。例えば、売りに出されている中古マンションの一室を訪れ、実際の空間を歩き回りながらさまざまなタイプのインテリア装飾を試すような用途にも利用できる。

3Dカメラで撮影した映像やCGで仮想空間を体験できるVR、現実の光景にバーチャル映像を重ね合わせるARを、さらに発展させたものと言えばイメージできるだろうか。

現実世界と仮想世界を融合させる革新的ヘッドセット「ホロレンズ 」

Microsoftは、この革新的なMR技術を搭載したヘッドセット「HoloLens(ホロレンズ )」を2016年3月に発表し注目を集めた。

3Dホログラムを、まるで実際に目の前にあるかのように体験することができるホロレンズを開発したのは、ブラジル生まれのアレックス・キップマンという科学者だ。彼は、Xboxのモーションゲーム用端末「Kinect(キネクト)」を開発したことでも知られている。

そのため、ホロレンズにはキネクトの技術が応用されていて、すべての操作を視線や指の動きだけで行うことができる。次世代UI(ユーザー・インタフェース)を先取りした革新的ヘッドセットと言えるだろう。

日常的なオフィスワークにもAIの活用が進む

AIも、Microsoftの潜在力を語る上で外すことができない技術のひとつだ。

5億台とも言われる同社のデバイスや、巨大なクラウドサービスが蓄積する膨大なデータを元にディープラーニングが行われているのだから、同社のAIの精度が高いのは当然だろう。

Microsoftの提供するサービスやデバイスを通し、一般企業のオフィスワークにもAIの活用が進んでいる。クラウドシステム「Office365」で提供されている分析ツールや翻訳機能を、AIと意識することなく利用してるユーザーも少なくないはずだ。

ビジネス方針の大転換を図り、Amazon.com やAlphabetと第2の1兆ドル企業の座を競うまでに復活を遂げたMicrosoft。革新的なイノベーションを生み出すその動向から、しばらくは目が離せない。


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