EVENT | 2022/01/12

創業4年目で評価額380億を獲得したスニーカーフリマアプリ「スニダン」は、コピー品飛び交うリセール市場をまとめ上げるのか

文:赤井大祐(FINDERS編集部)
毎週だいたい1社ずつ、気になるスタートアップ企業や、そのサービスをザクッと紹介し...

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文:赤井大祐(FINDERS編集部)

毎週だいたい1社ずつ、気になるスタートアップ企業や、そのサービスをザクッと紹介していく「スタートアップ・ディグ」。第11回は、日本最大のスニーカー&ハイブランドフリマアプリ(リセールプラットフォーム)「スニーカーダンク(SNKRDUNK)」(以下スニダン)を運営するSODA inc.紹介する。

SODA inc.
創業 2018年7月
調達総額 約115億円

徹底した真贋チェックで健全な市場を構築

内山雄太氏によって2018年7月に創業されたSODA inc.は、スニーカー、ハイブランドに特化したフリマアプリ「スニダン」の運営を中心に、スニーカーの発売情報などを発信する「メディア」や、ユーザー間での情報共有が行われる「コミュニティ」の運営を行っている。

スニダンはもともとスニーカーに特化した情報メディアとして2017年にリリースされた。後述するが、レアスニーカーの購入にはいち早い情報のキャッチが必要であり、そのためのリーク情報などを配信しているのだ。ここでスニーカーヘッズたちの信頼を勝ち取り、後にコミュニティ機能を実装。そして2019年8月に、リセールプラットフォームとしての「スニダン」がリリースされた。

「メルカリ」「ヤフオク」といったジャンルレスのフリーマーケット・オークションのC2Cマーケットプレイスがすでに定着している中で、なぜ扱うジャンルの幅が狭い「スニダン」が成立するのだろうか。理由は「転売におけるトラブル」を回避するための仕組みが採用されている点にある。

ご存知のようにスニーカーは世界中にコレクターが存在する、非常に人気の高いカテゴリーだ。特に有名デザイナーや人気ブランドとのコラボアイテムが発売されれば、世界中のスニーカーヘッズたちがオンラインショップの更新ボタンを連打し、リアルショップの前には大行列が出来上がる。

当然高額取引も多く行われる。2021年に世界最大のスニーカーリセールプラットフォームである「StockX(ストックエックス)」(アメリカ)上で最も高額で取引されたのは、「Nike SB Dunk Low “Staple NYC Pigeon”」というモデル。なんと33,400ドル(約380万円)で取引きされたというから驚きだ。またスニダン上でも「Dior × Nike Air Jordan 1 High OG "Dior"」がおよそ85万円で取引きされたという。

現在StockX上では、およそ700万円でStaple NYC Pigeonが購入可能。売り切れる前に今すぐゲット!

一方で、素材や刺繍はもちろん、中には匂いまで完全に再現された「スーパーコピー」が出回ることも珍しくない(スーパーコピー専門のオンラインショップも数多く存在する)。そういった偽造品に対抗するため、スニダンではフリマアプリでありながら、ユーザー間での直接取引は行われない。取引が成立した商品はSODA社内にて真贋チェックを行ったのち、購入者の手元へと送られることとなる。

「ブランド・スニーカー真贋鑑定(偽物撲滅)について」より

真贋チェックの際は、IVA株式会社が運営する真贋鑑定サービス「フェイクバスターズ」との業務提携によってすべてのスニーカーにダブルチェックを行っているという。これによって、偽造品の流通を絶ち、健全なマーケットの構築するということだ。

創業4年目にして評価額は380億円に

そんなSODA社は、2021年には1月、7月、12月と3度にわたり、ソフトバンクグループのベンチャーキャピタルSoftBank Vison Fundや、韓国にてスニーカーのリセールプラットフォームを展開するKREAM社から資金調達を行った。

同年7月には、競合サービスである「モノカブ」を運営するモノカブ社を買収し、サービスの統合が行われた。現在スニダンで扱われるアイテムはスニーカーを中心に、ストリートブランド、ハイブランドのアイテムや、ゲーム機、トレーディングカードといったものにまで広がっている。

また、昨年11月には初となるスニダン実店舗を原宿にオープンと、オンライン/オフラインで、着実に地盤を固めている。

創業4年目にして評価額は380億円にも登るSODA社。今後どのように展開を見せてくれるのか楽しみだ。


SODA inc.