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文:山田山太
メールにSNS、ネットバンキングにサブスクサービスと、さまざまなウェブサイトにアカウントを持つことが当たり前となった。しかし、これだけ数多くのアカウントがあるとその管理も大変。ついついパスワードを忘れてしまう、なんてことも日常茶飯事だ。
しかしそんな中、パスワードを忘れてしまい大損を被った男性が注目を集めている。
セキュリティ機能つきUSBに入れた7002ビットコイン
アメリカ・サンフランシスコ在住のプログラマー、ステファン・トーマスさんは2011年、ビットコインの啓蒙ビデオを作成し、その報酬として知人から7002ビットコインを受け取ったという。
しかし翌年、トーマスさんは大変なことに気がつく。ビットコインの入ったウォレットへの秘密鍵などを、「IronKey」というセキュリティ機能のついたUSBデバイスに厳重に保管しておくも、パスワードがわからなくなってしまったのだ。しかもこのIronKey、パスワードを10回間違えてしまうと、中のデータが完全に暗号化され、取り出すことが不可能になってしまうという代物。そしてトーマスさんは8回、思いつくパスワードを試してみたが開けられなかったようで、「ベッドに横になって落ち着いて考えてみました」「でもどうやってもうまくいかず、そのたびに深く絶望しました」と『New York Times』に当時を振り返った。
トーマスさんが手にした正確な時期までは不明だが、2011年3月当時で、日本円に換算すると1ビットコインあたり100円ほど。そして、2012年3月時点で500円ほどになっていたため、この時点でかなりの額を失ったことになる。そして、今年ビットコインは過去最高値を更新。現在(3月26日時点)の1ビットコインあたりの価格は約580万円となっている。つまりトーマスさんは約400億円相当の資産をみすみす失ったということになる。
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