文:滝水瞳
医学の進歩により、近年では体質や発症リスクのある病気のほか、これまで知り得なかった血縁関係などが簡易のDNA検査キットで導き出されるようになった。
先日、この画期的な技術によって、米国に住むある女性らの驚きの真実が明らかになった。
“姉妹のような”親友だった2人
2013年、米コネチカット州のバーで一緒に働いていた同僚のジュリア・ティネッティさん(31歳)さんとカサンドラ・マディソンさん(32歳)は、自然な流れで親友になった。『Good Morning America』によれば、2人はともにドミニカ共和国出身で、生後まもなく養子としてアメリカに引き取られ、ひとり親に育てられたという共通点があり、2人ともドミニカ共和国の旗の入れ墨があった。2人は周りの同僚から、まるで姉妹のようだと言われていたという。2015年にマディソンさんはバージニア州バージニアビーチに引っ越し、以降2人の関係はFacebook上でつながる関係となっていた。
ところが、2018年のクリスマスに転機が訪れる。マディソンさんは、プレゼントされた唾液のDNA検査キットを使ってみたところ、マディソンさんに親戚が数人いることがわかったのだ。マディソンさんは「私の親戚を見つけることができるとは思わなかったので衝撃的だった」と話している。
マディソンさんは、DNA検査を通じて、従兄弟とつながることに成功。そして、マディソンさんの実父が現在もドミニカ共和国に住む、アドリアーノ・ルナ・コラードさんであると分かった。残念ながらマディソンさんの実母であるユリアンナ・コラードさんは、心臓発作を起こし2015年に亡くなっていた。
実父から聞かされた衝撃の真実
2018年、実父のアドリアーノさんや自身の兄弟に会うため、マディソンさんはドミニカ共和国へ向かった。感動的な再会をした際、アドリアーノさんはマディソンさんに、養子に出した時の悲痛な思いを告白してくれた。当時、マディソンさんの兄弟が深刻な病気を発症したため、これ以上子育てができないと判断し、マディソンさんを養子に出したとのこと。
その後、アドリアーノさんからさらなる衝撃的な事実を耳にする。なんとマディソンさんの他に、もう一人養子に出した子どもがいたというのだ。それを聞いて「姉妹のようだ」と言われていたティネッティさんの顔がすぐに浮かんだマディソンさん。車に飛び乗り、ティネッティさんのもとへ走った。そして、 DNAの検査キットを差し出し、ティネッティさんに検査をするよう勧めたという。1月28日、検査結果が報告され、マディソンさんの予想が的中。ティネッティさんとマディソンさんは生物学的に姉妹だと判定された。
その後、ティネッティさんとマディソンさんには、他に3人の男の子と4人の女の子の兄弟姉妹がいたことや、養子になったのはティネッティさんとマディソンさんだけだったことがわかった。現在ドミニカ共和国には姪や甥もいるという。
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