文:宮下高明
100年以上前、北欧の国デンマークで産声をあげたレゴブロック。現在では年齢を問わず、世界中の多く人々を魅了している。
そのレゴブロックで、タイタニック号の巨大なレゴレプリカを完成させた少年が話題になっている。この少年は、同時に自閉症とも闘っていたのだ。
自閉症の少年が巨大レゴに夢中に
アイスランドに住む、自閉症のブリンジャー・カール・ビルギッソン君は6、7歳の時、デンマークのビルンにあるレゴランドに家族旅行で訪れた。ブリンジャー君は、そこで目にした有名な家や飛行機、場所や船の巨大なレゴレプリカに魅了。それ以来、巨大なレゴに夢中になり、実物大のレゴレプリカを自分で作りたいと強く思うようになった。
しかし、ブリンジャー君は巨大なレゴとの出会いから数年、彼はその思いを形にできないでいた。情熱はあったものの、何を作ればいいのかわからなかったのだ。ジレンマの中、熟考を重ねる日々が続いた。そしてついに、10歳になったブリンジャー君はタイタニック号の世界最大のレゴレプリカを作るというアイデアにたどり着いた。
強力に後押しした母親と祖父
タイタニック号のレゴレプリカに取り掛かったブリンジャー君。その挑戦には大きな支えがあった。母親のブリニャルさんとエンジニアである祖父のオグムンゾンさんの存在だ。彼らは、まずこのタイタニックを作るのに一体何個のレゴが必要になるのか考えた。そしオグムンゾンさんがタイタニック号をレゴのサイズに縮小する間、ブリニャルさんは根気強くブリンジャー君を応援した。
最終的に家族だけでなく友人たちからの寄付も集まり、プロジェクトに必要な5万6000個のレゴブロックも購入することができた。その後11カ月、のべ700時間を費やし、ブリンジャー君は長さ8メートル、高さ1.5メートルの世界最大のタイタニック号を完成させた。
2018年、タイタニック号のレゴレプリカは、アメリカのテネシー州にあるタイタニック博物館に展示されることになった。ブリンジャー君は「家族の支えがなければ、このタイタニック号のレゴレプリカは完成していませんでした」と『CNN』に語った。