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大学生は、何のために自分が勉強しているかわかっていない【連載】Withコロナの教育現場から(2)
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  • 2020.06.23
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大学生は、何のために自分が勉強しているかわかっていない【連載】Withコロナの教育現場から(2)

なぜ日本の企業は、大学名しか見ないのか?

ここで「日本企業は、大学の成績を評価すべし!」といってもあまり意味がありません。というのも、会社が採用したいのは「自社で役に立つ人材」なので、大学の成績と自社での将来の活躍に相関がなければ、大学の成績なんてどうでもいいのです。

一方で、勉強ができること自体は、社内での活躍と相関がある職種も多いでしょう。電気工学や建築、数学や化学などの専門知識は、製造業や建築業のエンジニアや、研究職ですぐに役に立ちます。ですから、理工系の学生は、学部推薦という形で、学校の成績がそのまま就活に役に立ちます。

また、専門的な学問でなくても「長時間机に座って集中できる」「先生が話した内容を理解する」「わからないことがあったら、本やウェブで調べる」といったスキルは、仕事をする上で非常に有用です。

ただ、このような技術があるかどうかは、大学入試の結果でわかります。難関大学に入学をするということは、多かれ少なかれこの技術を持っているわけで、入学した大学を見れば分かってしまうわけです。そのため、企業は大学の成績ではなく、入学した大学の名前を見るのです。

大学時代の私は、ここまで理解して「勉強してもしょうがくなくね?」という結論になりました。私の授業を受けた60%の学生も同じことを考えているのでしょう。

そこで、20年前の私は、こんなことを考えました。

「じゃあ、企業が求めてるのって、どんな人だろう? そのために何をすればいいんだろう」

そのひとつの結論が「お客さんや、会社を幸せにできる人」です。

つまり、仕事の経験をし、それをエントリーシートや面接で話をする、その話す内容が「こんな体験をして、お客さんを満足させました。だから、あなたの会社に入ってからも、お客さんを喜ばせる仕事ができます」になっていれば評価されるだろうと考えたのです。

そのために、私は50種類以上のバイトをして、自分が得意なこととを見つけ、それを元に就職先を見つけました。新宿のバーテンダーから、家庭教師、引っ越し屋、東京ドームの係員、配管工まで、いろんな仕事を経験する中で、自分の特技を見つけられたのが、インターネットサービスプロバイダーのコールセンターの仕事です。

1998年当時、インターネットに接続するのは非常に難しく、Wi-Fiなんてなかったため、パソコンに電話線をつないで、パソコンから電話をかけて…などというややこしいことをしていました。

ちょうど、インターネットが流行り始めた時代で「マルチメディアガー!」みたいにジャパネットたかたとかが煽るもんだから、インターネットがなんだかわからないおじいちゃんとかがパソコンとかを買ってしまい、ネットにつなぎたがる。そんな人たちをサポートするバイトです。

今のように画面共有システムなどないので、すべてを電話で、口答で説明しなくてはなりません。相手は、キーボードを触るのも初めてのおじいちゃんたちです。でも、私はこれが得意だったんです。

いくら説明してもうまく行かず、社員がさじを投げた人が、なぜかバイトの私の所に回ってくる。それで、なぜか私が説明するとネットにつながる。ここで、私は「人に説明する」のが他の人よりも上手いんだということに気付いたのです。

それなら、このスキルを活かした仕事に就こう。ITは好きだったしある程度知識もある。これから伸びることはまちがいない。では、難しいITのことをお客さんに説明する仕事がいいのではないか?

そうやって、ソフトウェアベンダーの技術営業やITコンサルタントの仕事を選び、就活をしました。おかげで、就活氷河期ど真ん中でしたが、すんなりたくさんの内定を取ることができました。

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