文:西田美樹
美しい庭の緑をバックに愛を誓う初々しい新郎と新婦。大きな試練が2人を待ち構えていることは写真からは微塵も感じられない。
人生最高の日を過ごす、あるカップルのラブストーリーが今注目を浴びている。
余命宣告を受けた直後に結婚を決意
米国インディアナ州の高校生チェイス・スミスさん(18歳)は13歳の時、ユーイング肉腫を患い、約6年間闘ってきた。ユーイング肉腫とは骨やその周囲の軟部組織に発生する非常に珍しいガンのひとつだ。
チェイスさんは2019年、セイディー・ミルズさん(18歳)と出会い、すぐに恋に落ちる。チェイスさんの猛烈なアタックの末、6カ月前から交際をスタート。高校を卒業後、2人は一緒に大学に通うつもりだった。しかし、2020年3月に状況が一変。チェイスさんのガンが再発したのだ。
『IndyStar』によると、頭蓋骨や肩や肺などガンは全身に広がり、医師から余命は3~5カ月だと告げられた。2人が結婚を決めたのは、この直後のことだった。
両親たちも若い二人を全面的に後押し
チェイスさんは「僕たちは将来間違いなく結婚すると思っていたし、自分たちがどうしたいのか、分かっていたんだ」と『People』の取材に語った。「みんなは僕の命が残り少ないから結婚を決めたと思っているだろうけど、そうじゃない」と付け加えた。
息子がガンと必死に向き合う姿を見続けてきたチェイスさんの両親も、セイディーさんの両親も、若い二人の決意を受け入れ全面的にサポート。すぐに結婚式の計画が立てられ、新婦側ミルズ家の庭で行うことが決まった。
チェイスさんとセイディーさんは4月29日、家族や友人に見守られながら、結婚式を挙げた。純白のウエディングドレス姿のセイディーさんを、涙を流して迎え入れるチェイスさん。ミルズさんは「人生最高の瞬間でした」と語った。愛を誓った式の祭壇は、最初のデートでキスをした思い出の場所だ。
この感動的な結婚式に、ネット上では「こんなに素敵な結婚式は見たことがない」「心が震えた」など、祝福や応援のメッセージが続々と寄せられた。