文:I.M.
新型コロナウイルスに感染すると呼吸困難などの症状を伴うことがある。しかし、大都市圏を中心に病床が逼迫しつつあり、自宅やホテルなど病院外で療養するケースも。
そんな中、新型コロナウイルスによる症状を緩和する呼吸法がYouTubeで注目を集めている。
3つのステップによる簡単な呼吸法
その動画を公開したのは、英国ロンドンのクイーンズ病院に勤務する医師サルファラーズ・ムンシ氏。ムンシ氏は勤務する病院の集中治療室で、この呼吸法を患者に教えている。
ムンシ氏は「新型コロナウイルスに感染したら、肺の奥までしっかりと空気を取り入れることが重要です」と話す。そのため、「感染が発覚したらすぐにこの呼吸法を始めるように」と勧めている。
新型コロナウイルスの症状を緩和する呼吸法は、次の3つのステップだ。
・空気を深く吸い込み、息を止めて5秒間数えてから息を吐く。これを5回繰り返す
・6回目に息を吸い込んだあと、大きな咳をする(この時、手を口に当てるように)
・1と2をもう一度繰り返す。この後、腹ばいになり、普段より少し深めの呼吸を10分間続ける
また、肺の大部分は身体の前方ではなく背中の方にあるため、ムンシ氏は「仰向けの姿勢は小さい気道を塞ぐので、新型コロナウイルスに感染している間は仰向けに寝るのは良くない」とアドバイスしている。
この動画は4月3日の公開以来、300万回以上の再生を記録し、大きな話題を呼んでいる。
J・K・ローリングやCNNキャスターも挑戦
「ハリーポッター」シリーズの作者であるJ・K・ローリング氏は、今月6日にTwitterを更新。新型コロナウイルス感染症に見られる症状を患っていたところ(ただし検査は受けてないという)、医師である夫からムンシ氏の呼吸法を教わったとのこと。すると、2週間続いた症状から無事回復。「この呼吸法がとても助けになりました」と綴った。
また、米国ニューヨーク州知事の弟で、CNNのニュースキャスターを務めるクリストファー・クオモ氏は、新型コロナウイルスに感染し自宅隔離中。1日5回のこの呼吸法と腹ばいの呼吸法を実践していると今月7日、自身のTwitterに投稿した。
今月9日、国内の新型コロナウイルス感染者が5000人を突破した。感染経路が不明なケースも増えている。万が一の場合、自分や家族のためにこの呼吸法を役立ててほしい。