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文・武者良太
手指には絶対NG。ゴム手袋をつけ、水で薄めて使おう
※訂正とお詫び
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記事公開当初、「希釈液を持ち歩くときは、香水用のアトマイザーやコンパクトな霧吹きボトルに入れよう。自宅で使うときは、100円均一ショップで売っている、ペットボトル用スプレーノズルと合わせよう」という記述をしておりましたが、記事掲載後の3月13日に本記事の制作にあたって参考した花王HPにて「スプレーした時に霧状の液を吸い込むことがあり、せき込んだり、呼吸器に異常をきたしたりするおそれがあります。また、スプレーがこわれやすくなるので、液がたれたり、思わぬ方向に液が噴出したりすることがあり、危険です。目に入ると、失明のおそれもあります」として、スプレー容器を使用してはいけないという見解が掲載されました。誤った手法を薦めてしまったことを読者の皆様に深くお詫びすると同時に、今後このようなことが起こらないよう記事公開前のチェックを一層徹底してまいります(編集部)。
新型コロナウイルスの危険性が叫ばれ続けている現在。多くの企業でテレワークが導入され、数多くのイベントが開催中止ないしは無観客開催となっており、混乱はまだ収まりそうにない。
現時点で感染ルートは他者のくしゃみ、咳、つばを口や鼻から吸い込む飛沫感染、ウイルスのついた手で口を拭ったなどの接触感染の2つが考えられている。前者の拡大対策は、風邪やウイルス感染症の疑いがある人がマスクを使うこと。後者の拡大対策はこまめな手洗い&うがい、普段からの健康管理(免疫力を高めること)、屋内では適度な湿度を保つ(50~60%が好ましい)ことが重要だ。
さらに感染しない・させないように行動すべく、人の多い空間の手すり、ドアノブ、壁、PCのキーボードなどの殺菌を行うためには、「ハイター」「キッチンハイター」などの漂白剤を活用しよう。これらの塩素系漂白剤の主成分は次亜塩素酸ナトリウムであり、強い殺菌力を持つし、小売店舗で消毒液が入手しにくい状況にあっても、まだ比較的手に入りやすい。
次亜塩素酸ナトリウムは、いままでにもインフルエンザウイルスやノロウイルスが流行したときに、調理器具や日用品、トイレ、浴槽などの殺菌に使われてきた。此度の新型コロナウイルスの流行においても塩素系漂白剤は効果的だとされている。
東京都感染症情報センター「新型コロナウイルス感染症に関する清掃・消毒について」より
ただし強いアルカリ性を持つ液体ゆえに、扱いには細心の注意が必要だ。「混ぜるな危険」を代表する薬剤であり、酸性洗剤と混ぜると塩素ガスが発生してしまう。また手指などの洗浄には絶対に使わないこと。効果が強すぎて皮膚に大きなダメージを与えてしまうので、作業時にはゴム手袋を着用しよう。
使用の際には必ず水で希釈すること。ドアノブやガジェットの表面などを殺菌するために使うなら、次亜塩素酸ナトリウム0.02%(200ppm)の希釈液が適している。花王HPでは「ハイター」「キッチンハイター」の場合、水5リットルに対して50ml(ペットボトルのキャップで約2杯)という割合を目安として薦めているが、生産から使用するまでの期間や保存環境によって濃度が低下している可能性もあるとして、購入から3年以上経過している製品は使用しないでほしいと呼びかけている。
また金属を腐食させる作用があるため、希釈液で殺菌したあとは水拭きすることもお忘れなく。
なお、希釈液を使用する際、スプレー容器を使用してはいけない。スプレーした時に霧状の液を吸い込むことがあり、せき込んだり、呼吸器に異常をきたしたりする可能性があるためだ。加えて液が垂れたり思わぬ方向に噴出したりする危険性もある。上記の東京都感染症情報センターの案内にもあるように、ペーパータオルなどに希釈液を染み込ませて使用しよう。
0.02%(200ppm)の希釈液はだいたい1週間で効果がなくなるが、太陽光や温度の変化で効果が薄れやすいため、持ち運ぶ際は2~3日おきに希釈液を作り直すといいだろう。
参考:花王「「ハイター」「キッチンハイター」をうすめた液を手指などの消毒に使ってもいいの?」
参考:「ハイター」「キッチンハイター」を薄めた液をスプレー容器に入れて使ってもいいの?