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両親を亡くし、自閉症の弟とともに生きる17歳少女、世界中からの支援で夢の実現まであと一歩
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  • 2020.01.23
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両親を亡くし、自閉症の弟とともに生きる17歳少女、世界中からの支援で夢の実現まであと一歩

文:浅田茉美

高校3年生で両親を亡くし、自閉症の弟のケアを常時しながら、それでも大学進学しようとしている少女が話題になっている。

彼女の挑戦はSNS上で共感を集め、親族が立ち上げたクラウドファンディングに支援が集まっている。

ある日、母親がいなくなった

米国ニューメキシコ州のマッケンジー・シドーさんは、今年18歳の高校3年生だ。彼女の弟マイケル君は自閉症で、会話をすることができない。マッケンジーさんは自分とマイケル君の関係について、地元テレビ局『KRQE』の取材に次のように語っている。

「私は常に彼のためにそばにいてあげました。もちろん両親も彼のために世話はしましたが、私もそれに負けず劣らず、かなりの役割を果たしていたと思います。彼の世話ができるのは、私にとってはハッピーなことでした」

しかしある日、マッケンジーさんの母親が行方不明になってしまう。社交的だった母は2015年9月、外出したまま帰らなくなってしまった。消息が判明したのは6カ月後で、なんとゴミ箱から遺体が発見された。遺体を捨てた犯人は、彼女とパーティーをしていて目覚めたらもう死んでいたと語っている。母が亡くなった後、マッケンジーさんは自閉症のマイケル君のサポートを一手に引き受けることになった。

「大抵の子どもは放課後に自閉症の弟の面倒を見る必要はありません。普通の子どもは放課後サッカーを練習したり、試合を見に行ったりするものなんでしょうね」と淡々と語るマッケンジーさん。

こうして母が亡くなった後、父と弟との3人での暮らしが始まった。

父親までもが帰らぬ人に

ある日、マッケンジーさんの元に、父親から「マイケルは朝から体調が悪く、学校を休んだんだ。僕は仕事に行かなきゃならないから、今すぐ来てマイケルの世話をしてくれないかな?」というメールが届いた。

家に帰ったマッケンジーさんはマイケル君が部屋で休んでいることは確認したものの、父親の姿が見当たらなかった。父親の電話を鳴らし、音が聞こえたバルコニーに向かうと、父親が倒れていた。救急隊が来るまでの間、自ら心肺蘇生を試みたが、父親は帰らぬ人に。医療関係者によると、父の死因は心臓発作だったという。

大学に行き、自分の人生を歩みたい

残された兄弟は祖母の助けのもとに生活しているが、将来は自力で生きていかなければならない。マッケンジーさんには望みがある。

「一番の関心は高校を確実に卒業すること。両親は、私が弟のためにできる限りのことをしてきたことを誇りに思ってくれているはずです。彼は私の人生でとても重要で、これからも彼のためにできるだけのことをしてあげたいんです。そのためには、大学に行って学位を取り、自分のキャリアを歩みます。弟と生きていくために」

マッケンジーは奨学金で大学に行くが、その間マイケルのための住居と介助が必要になる。彼女を大学に行かせるために、親族が「gofundme」でクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げた。目標金額の3万ドルに対し、現在2万ドル以上の支援が寄せられている。興味のある方にはぜひ、このプロジェクトを覗いてみてほしい。


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