EVENT | 2020/01/02

お値段1000万円超えもあるのに完売多数。超豪華iPhoneを多数販売するロシアのブランドCaviarに、お得意様はどこの国の人が多いのか訊いてみた

© Caviar
取材・文:6PAC
豪華を通り越して富豪専用!?一体誰が買っているのか
外国に行くと、...

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© Caviar

取材・文:6PAC

豪華を通り越して富豪専用!?一体誰が買っているのか

外国に行くと、日本で見たこともないような豪華な装飾が施されたスマホを時折見かけることがある。日本で見かけることがあっても、本体ではなくスマホケースに豪華な装飾が施されたものがほとんどだ。

ロシアのCaviar(キャビア)というブランドは、ゴールドやダイヤモンドで装飾したカスタムメイドのiPhoneやAirPodを販売していることで知られている。Caviar製品は新モデルが登場するたびにインターネット上で話題になることも多いので、見かけたことがある人も多いだろう。ゴージャスでファビュラスなiPhoneやAirPodは、日本円にして数十万円から数百万円にものぼる価格にも関わらず、売り切れとなることも多い。どういう人たちが購入しているのか興味が湧いたので、Caviarを運営するSmart Luxury Groupのマーケティング責任者、ディミトリ・ストリャロフ氏に詳しい話を訊いた。

日本でも話題になった「Caviar Airpods Gold Edition」。お値段なんと7万ドル(約766万円)

Caviar は2011年に立ち上げ、その後アゼルバイジャンやカザフスタンといったロシア周辺国で事業を拡大してきたという。正確な数字は公表できないが、順調に売り上げを伸ばしているとのことだ。

海外顧客で多いのはアメリカ人、中国人、アラブ人

© Caviar

カスタムメイドのiPhoneが一番の売れ筋となっているCaviarでは、「数量限定のアイテムもありますが、個別の注文に応じたカスタムメイドも受け付けています。簡単に言えば、同一デザインで数量限定のアイテムと、世界で一つとなるオリジナルデザインのオーダーメイドアイテムの2種類を販売しています」という。顧客属性について訊ねてみると、「ロシアの会社なので、ロシア人のお客様が一番多いですね。ただ、世界中への配送対応を始めた2018年以降は、世界各国のお客様の数が増えています。アメリカ人、中国人、アラブ人からは頻繁に注文が入ってきます。日本人からの注文もありますが、それほど多くはありません」と話してくれた。

ロシア国内では「ロシアン・イーグル」と呼ばれる国章が刻印されたiPhoneが売れ筋で、ロシア以外だと、スケルトンの時計が入ったモデルのiPhoneが人気となっている。

本物の時計が埋め込まれたiPhone XS。お値段は7520ドル(約82万円)
© Caviar

Caviarで一番高い値札がついているのは、金とダイヤモンドだけで出来ているiPhone 11の「SOLARIUS ZENITH FULL GOLD」だ。価格はなんと9万8400ドル(約1070万円)。

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制作にはデザイナー、宝石細工職人、宝石専門の技術者など40人近くの職人が、純金、24金、メテオライト、チタン、ヘビ革やワニ革などのレザー、人工メノウ、ダイヤモンドといった素材を使用して、ゴージャスでファビュラスな装飾を施している。さらに専門的な知識が必要となる加工作業は、提携している外部の職人に依頼して仕上げているそうだ。中にはタイタニック号の破片、ビートルズの衣装の切れ端といった素材まで使われているものまである。

アリーナ・ザギトワやスティーヴン・セガールも名を連ねる顧客リスト

愛国心を示したいあなたに。ドナルド・トランプが刻印されたiPhone X。もちろんプーチンバージョンも。残念ながら安倍首相バージョンは見当たらず
© Caviar

Caviarの顧客リストには、日本でも知名度のあるアリーナ・ザギトワやスティーヴン・セガールも名を連ねる。顧客リストに日本の著名人はいないのか率直に訊いてみると、「日本人のお客様はいますが、有名人ではありません」との答えが返ってきた。

最近では著名人などをモチーフにしたモデルのiPhoneにも注力している。スティーブ・ジョブズをモチーフにした「Superior Jobs」、ビートルズがモチーフの「Superior The Beatles」、タイタニック号をモチーフとした「Titanic」といったラインアップだ。その他にもアポロ11号、モハメド・アリ&ジョー・フレージャー、ソユーズ(ロシアの宇宙船)などがモチーフとなっているモデルもある。

Caviar=ゴージャスでファビュラスなiPhoneというだけではない。iPhoneの最終形態という意味にもとれる「iPhone Z」というコンセプトも提示している。装飾が豪華なだけでなく、二つ折りが可能な「iPhone Z」は、広げるとiPadのようなタブレット端末になる。折り畳み型を変えればラップトップやスクリーンに早変わりする。まさにユーザーが思い描く「こんなのがあったらいいな」を形にしたコンセプトではあるが、仮に「iPhone Z」が本当に商品化したら価格は最低でも2900ユーロ(約35万円)になってくるという。そもそも商品化した時点でAppleがなんらかのリーガルアクションを起こしそうだが。

本気で購入を検討する・しないにかかわらず、次から次へと発表されるCaviarの新モデルは見ていて楽しいものだ。東京オリンピック関連の新モデルなども期待したい。ちなみに、CaviarのiPhoneは日本への配送無料で保証期間は1年となっている。詳細は公式サイトで確認可能だが、不明点があればメールでの問い合わせ(英語・ロシア語のみ)も可能だ。ただし、CaviarのiPhoneを使っていると目立って仕方がないだろうし、盗難や紛失には十分以上の注意が必要だろう。


Caviar公式サイト