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トイレ休憩が出来ない便器が爆誕。13度の傾斜でスクワット状態。5分以上座っていられない
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  • 2019.12.27
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トイレ休憩が出来ない便器が爆誕。13度の傾斜でスクワット状態。5分以上座っていられない

Photo by Shutterstock

文:大塚ちえ

サラリーマンの中には、「ちょっと疲れたからトイレで休憩」が当たり前になっている人も少なくないのではないだろうか。

しかし、そんなトイレ休憩が、快適でなくなる日も近いかもしれない。

年間5700億円のコストを削減

イギリスのベンチャー企業StandardToiletは「長く座っていられないトイレ」を開発した。このトイレは5分以上座っていると苦痛が襲う。なぜなら、便座に13度の傾斜がついており、簡単なスクワットと同じくらいの負担が足にかかるようになっているからだった。

同社の開発者マハビール・ギル氏は「イギリス国内だけでも、従業員の休憩によるコストを年間40億ポンド(約5700億円)の削減が可能です」と語る。

Protectingが2019年7月に実施した調査によると、イギリス国内の8都市で従業員たちが仕事中にトイレの中で費やす時間はおよそ28分。毎週2時間以上がトイレによって奪われているのだ。この傾斜付きの便座に切り替えることによって、その問題を大きく改善することができるとStandardToiletは考えているようだ。

価格は150ポンド(約2万円)から500ポンド(約7万円)。すでにこのトイレは地元の議会や高速道路のサービスエリア運営者などが興味を示しているという。StandardToiletはオフィスの従業員の生産性が劇的に向上すると考え、オフィスでの活用も目標にしている。

健康面のメリットも

ギル氏によると、実はこの傾斜付きのトイレは、従来のトイレよりも姿勢の改善など健康面でメリットがあるという。従来のトイレは痔が悪化したり、骨盤系の筋力低下を招くことが医学的な研究により判明している。一方、この傾斜付きのトイレに腰掛けることで、太ももやふくらはぎの筋肉を使い、筋肉や骨格系の障害を軽減するとのこと。

ここまで聞けばいい話尽くめではあるが、ギル氏の意見に同意しない人もいる。「Around the Toilet」の共同執筆者であるシャーロット・ジョーンズ氏は『WIRED UK』のインタビューに、「トイレ休憩を、生産性の低下を招く脅威と見るのは間違っている」と話した。「仕事中のトイレ休憩は作業者自身に問題があると言うよりもむしろ、不十分な作業スペースや重すぎる作業負荷、非協力的な管理など職場環境の方に問題があるのでは」とも。

確かに、集中力が低下したときやちょっと一息入れたいときにはトイレで少しリラックスするのもいいだろう。それなのに、こんな傾斜がついたトイレではリラックスもできない。職場の中で1日中、集中してずっと働き続けるのは本当に大変なことである。トイレの時間くらい、リラックスさせてほしいと思うのも無理はない。


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