LIFE STYLE | 2019/12/25

『フォレスト・ガンプ』俳優、親を戦争で亡くした子ども1000人以上をディズニーワールドの旅に招待

文:大塚ちえ
海外では著名な俳優や女優、アーティストが慈善活動を行うことは珍しくない。しかし、こんなにも子どもたちの心...

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文:大塚ちえ

海外では著名な俳優や女優、アーティストが慈善活動を行うことは珍しくない。しかし、こんなにも子どもたちの心に楽しい思い出を作り続けている俳優は、他にいないのではないだろうか。

その俳優とは、映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』にて戦争で両足を失ったダン・テイラー中尉を演じたゲイリー・シニーズ氏だ。

1750人以上の子どもと家族に旅のプレゼント

シールズ氏は12月7日、1000人以上の戦争で親を亡くした子どもとその家族など合計1750人以上を、フロリダ州オーランドにあるディズニー・ワールド5日間の旅に招待した。このプログラムは「スノーボール・エクスプレス」と呼ばれ、参加者の旅費負担はない。

「スノーボール・エクスプレス」はゲイリー・シニーズ財団とアメリカン航空が提携して行うチャリティイベントの一環であり、毎年12月に実施している。

シニーズ氏は出発前の飛行機内の様子を自身のTwitterに投稿し、「この飛行機は91人の子どもたちを含めた総勢176人を乗せ、今日ロサンゼルスを旅立った。数日後には合流するよ。楽しんでおいで!愛しているよ!」と綴った。また、週末にはゲイリー・シニーズ財団によりディズニーを楽しむ家族たちの写真が共有された。

「彼らは愛する家族を戦争で亡くした悲しみを抱いているけれど、そこにいる子どもたちはみんな同じことを経験している。同じ気持ちがわかる人たちが同じ場所にいることで彼らはとても癒されるだろう」とゲイリー・シニーズ財団は述べている。

「何でもできる」と信じるために

これまでシニーズ氏は、退役軍人や軍人たちの家族を支援するさまざまな取り組みを行ってきた。

このことを知った非営利団体「スノーボール・エクスプレス」は2007年にシニーズ氏の元を訪ね、この活動の様子をビデオで紹介。シニーズ氏は、より多くの子どもたちをディズニーに連れていきたいと、その12月にはこの団体の支援を決めた。それから10年以上もこの活動を行ってきて、ダン・テイラー中尉から名付けた「ダン・バンド」で子どもたちのために演奏してきた。

2011年にゲイリー・シニーズ財団を設立し、その2年後には「スノーボール・エクスプレス」の事業を引き継いだ。

これまでに3450人以上の子どもたちがこのプログラムに参加している。ゲイリー・シニーズ財団の公式サイトには、「彼ら家族がどんなに深い悲しみの中にいたとしても、『何でもできる』と信じられることを私たちは願っている」とメッセージが書かれている。

日本でも俳優やアーティストなどの著名人が災害や事故の被害者を支援することがある。彼らの行動は、国民たちの関心を引き、支援の輪が広がることにもつながる。ぜひその大きな影響力を活かしてほしいと願う。