CULTURE | 2019/10/31

亡くなった父親の携帯に毎日メッセージを送っていた女性。4年後、まさかの返信に感動が止まらない

文:岩見旦
父親が亡くなってから4年間を振り返ったメッセージを送信
米国アーカンソー州に暮らすチャスティティ・パター...

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文:岩見旦

父親が亡くなってから4年間を振り返ったメッセージを送信

米国アーカンソー州に暮らすチャスティティ・パターソンさん(23歳)は4年前に父親を亡くした。それ以来、父親の携帯電話に毎日日々の出来事をメッセージで送っていた。もちろん返信が来ることはなかった。

父親が亡くなって4年目の前日に当たる先々週の木曜の晩、パターソンさんは「はい、お父さん。私よ。明日はまた大変な日になりそうね」といつものように送信。そして「お父さんを失って4年が経ったけど、いつも寂しく感じてます。色んなことがあったけど、いつもメッセージしているから知ってるよね」と続けた。

そして、この4年間のことを振り返ったパターソンさん。ガンを克服してから約束通り体調に気を付けていること、大学を無事卒業したこと、恋に落ちて失恋したことを回想した。「あなたが本当に私を必要としてくれている時、そばにいることが出来なくてごめんなさい。いつか一緒に試合を見ましょう」とも。

亡くなった父親から返信。送り主も交通事故で娘を失っていた

亡くなった父親への返ってくるはずのないメッセージ。しかし先週、驚くべきことに返信が来た。

メッセージの送り主はブラッドさんと名乗る男性で、パターソンさんにとってまったくの赤の他人だ。ブラッドさんは「こんにちは、私はあなたの父親ではありませんが、4年間、すべてのメッセージを受け取っています」と明かした。

ブラッドさんはかつて娘がいたものの、5年前に交通事故で亡くし悲しみに暮れていたが、パターソンさんのメッセージで励まされ、「私は生かされてきた」と感謝した。そして、「あなたにとって親しい人が亡くなったことは非常に悲しく思いますが、私は長年にわたってあなたの話を聞き、あなたが成長し多くのことを経験しているのを見てきました」と続けた。

また、これまで長年返信してこなかった理由を「あなたの気持ちを傷つけたくなかったから」と述べ、「申し訳ありませんがこの事実を伝えなければなりませんでした。あなたなら乗り越えられます。私はあなたを誇りに思います」と締めた。

Facebookで30万シェアの反響

パターソンさんは25日、自身のFacebookにこのメッセージ画面のキャプチャを、「今日ですべてが大丈夫。これでお父さんを休ませられる」とコメントを添えて投稿。すると瞬く間に拡散され、30万件のシェアと16万件の「いいね」を獲得した。

ちなみに、この後の投稿でパターソンさんがお父さんと呼んでいた人は、実の父親ではなかったとのこと。ただ生前はパターソンさんのダンスやダンスパーティー、試合を欠かさず見に来たり、パターソンさんの喋り方や態度に長い説教をしたり、ボーイフレンドを紹介しなければならなかったり、父親のような存在だったという。

父親のような存在を失った女性と、娘を失った男性。悲しみを背負って生きていた2人の奇跡の出会いに、胸が震えた。