インキュベーション卒業後も居着ける場所をつくる、天王洲の新たな一手
スタートアップが成長し、オフィスを出ていく先は、必ずしも同じ街である必要はない。しかし寺田倉庫は、天王洲という一つの街の中に、起業家が次のステージへ移っても居続けられる場所を用意した。寺田倉庫株式会社は、スタートアップ向けワークプレイス事業「Creation Hub TENNOZ」を始動したと発表した。
同事業は、起業家やアーティスト、クリエイターなど多様な人々が交流し、街と企業が共創するエリアを目指すプロジェクト「Isle of Creation TENNOZ」の一環である。すでに始動しているインキュベーション事業「Creation Camp TENNOZ」は現在第3期生を迎えるまでに育っており、そこを卒業した企業や、成長段階でより広いオフィスを必要とするスタートアップの受け皿として、今回のCreation Hub TENNOZが位置づけられている。
その第一弾として、寺田倉庫の施設内(東品川2-6-4 寺田倉庫G1ビル3F)にシェアオフィスが開設された。インキュベーションを終えた企業が街を離れるのではなく、同じ天王洲で事業を継続・拡大できる仕組みを整えた点が、このプロジェクトの核心である。
低コストな執務環境と、支援者とつながるコミュニティという二つの価値
Creation Hub TENNOZが提供するのは、単なる安価な作業スペースではない。施設には、施錠可能な完全個室(5坪・4名用、全2部屋)、上部が開放された半個室(3.65坪〜5坪・4〜6名用、全3部屋)、フリーアドレスのコワーキングスペース(全35席)が用意されている。会議室も2名用から12名用まで全4部屋を備え、Web会議専用の個室も用意されており、人数や用途に応じて空間を選べる。
Wi-Fiやフリードリンク、無料プリンター、ロッカー、法人登記可など、スタートアップが日々の業務に必要な機能も一通りそろう。加えて入居企業は、税理士や弁護士に相談できる勉強会や、近隣の支援企業・VCと交流できるコミュニティイベントにも参加できる。資金調達や法務といった経営課題に直面しやすい初期フェーズの企業にとって、こうした人的なつながりは、オフィスの設備そのもの以上に価値を持つ場合も少なくない。
羽田・品川に近い利便性を生かし、天王洲を地域と東京をつなぐハブへ
寺田倉庫は今後、Creation Hub TENNOZを天王洲エリア内の複数拠点へ拡張していく方針を示している。周辺のオフィスビルやパートナー企業と連携し、受付や会議室などの設備をシェアする仕組みを構築することで、都心でありながらコストを抑えた執務環境を広げていく考えだ。すでに天王洲に拠点を構えるサツドラホールディングスの「EZOHUB TOKYO」や、品川区、寺田倉庫に入居する企業などとの連携も深め、多様なステークホルダーが協働する体制づくりを進めるという。
羽田空港や品川駅に近いという地理的な利便性は、天王洲を単なるオフィス街ではなく、地域と東京、さらには海外とスタートアップをつなぐハブへと変える可能性を持つ。インキュベーションから成長、定着までを一つの街で支える仕組みが育ちつつある天王洲は、オフィスの移転先を探すスタートアップだけでなく、地域発のビジネスがどう都市に根を張っていくかに関心がある読者にとっても、注目しておきたいエリアである。
Creation Hub TENNOZ(プロジェクト名:Isle of Creation TENNOZ)
運営:寺田倉庫株式会社
所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-6-4 寺田倉庫 G1ビル 3F
アクセス:東京モノレール「天王洲アイル」駅より徒歩5分、りんかい線「天王洲アイル」駅より徒歩4分
営業時間:8:00〜23:00(年末年始、当社規定休館日を除く)
設備:完全個室・半個室・コワーキングスペース・共有会議室・共有スペース・Wi-Fi・フリードリンク・無料プリンター・ロッカー・ポスト・法人登記可・電源・空調(一部個別空調)・機械警備・エレベーター
区画構成:完全個室 全2部屋(5坪/4名用)、半個室 全3部屋(3.65坪〜5坪/4〜6名用)、コワーキングスペース 全35席、共有会議室 全4部屋
契約形態:定期建物賃貸借契約、スペース利用契約
利用料金:区画や利用条件により異なる(詳細は要問い合わせ)
公式サイト
https://www.terrada.co.jp