CULTURE | 2026/04/14

生成AIと立体視で問い直す世界観
日本科学未来館 落合陽一監修の 「計算機と自然」 をリニューアル公開

2026年4月1日(水)、日本科学未来館で常設展示をリニューアルし一般公開

FINDERS編集部

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

AIと知覚の境界を体験として提示

東京・お台場の 日本科学未来館 は、メディアアーティスト 落合陽一氏が総合監修を務める常設展示「計算機と自然、計算機の自然」を一部リニューアルし、2026年4月1日(水)から一般公開した。

本展示は2019年の公開以来、コンピュータやAIが高度に発達した社会において、人間の自然観や世界観がどのように変化するのかを問いかけてきた。デジタルとアナログ、自然と人工物の境界が曖昧になりつつある状況を「新しい自然」と捉え、その感覚を体験として提示する内容である。

今回のリニューアルでは、展示の中核を担う「計算機と自然」と「計算機の自然」を刷新した。「計算機と自然」では、印刷された蝶や植物が混在する空間に加え、生成AIによって変化し続ける映像作品が追加された。割れた液晶のイメージが液体のようにうねり続ける表現は、物質と情報の境界が揺らぐ状態を視覚化する試みである。

一方の「計算機の自然」では、画像生成AIの技術を用い、会場のカメラ映像をもとにリアルタイムで生成される映像を提示する。ノイズから画像を再構築する「拡散モデル」を活用し、現実と生成のあいだにあるプロセスそのものを体験できる。

新設された展示のひとつ「話し相手が人間か機械か、どちらでもいいじゃないか」では、受話器に話しかけることで音声認識、文章生成、音声合成が連動し、来場者の発話に応じた応答が生成される。ここでは大規模言語モデルが中核となり、人間と機械の対話の境界が曖昧になっていく現在の状況を示す。

もうひとつの新設展示「これは計算機の中と外、どっち?」では、裸眼3D立体視の技術を応用する。来場者の視線に合わせて映像を生成し続けることで、実体のある彫刻とデジタルデータが連続するような体験を生み出す。現実とバーチャルの境界を探る試みとして位置づけられている。

生成AIや知覚技術の進展を背景に、私たちの認識そのものが変わりつつある現在。本展示は、その変化を抽象的な概念ではなく、身体的な体験として提示する場となる。

計算機と自然(画像は旧展示)
計算機の自然(画像は旧展示)

日本科学未来館 3階 常設展示ゾーン「計算機と自然、計算機の自然」
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
休館日:火曜日(祝日などは開館の場合あり)
料金:大人630円、18歳以下210円(条件により無料あり)

公式サイト
https://www.miraikan.jst.go.jp/exhibitions/future/digitallynatural/