CULTURE | 2025/03/07

世界のANDOが描く
「安藤忠雄展|青春」~建築家としての集大成

2025年3月20日から7月21日まで、大阪・グラングリーン内の文化施設 「VS.」で開催

FINDERS編集部

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独学の建築家が世界を魅了する圧巻の展覧会

2025年3月20日から7月21日まで、大阪・グラングリーン内の文化施設 「VS.」 で開催される「安藤忠雄展|青春」 は、世界的建築家・安藤忠雄の軌跡を一望できる圧巻の展覧会だ。

安藤忠雄は1941年、大阪に生まれた。独学で建築を学び、1969年に建築設計活動をスタート。以来、既成概念を打ち破る斬新な作品を次々と世に送り出してきた。90年代以降は活躍の舞台を世界に広げ、環境再生や震災復興といった社会貢献事業にも尽力。建築家の枠を超えた多岐にわたる活動は、国内外で高く評価されている。

会場は、「挑戦の軌跡」 と 「安藤忠雄の現在」 の大きく2つのゾーンに分かれ、前者では住宅から祈りの空間・美術館などの文化施設に至る過去の安藤の代表作の全てを、後者では文字通り、安藤の現在の仕事を、「直島の一連のプロジェクト」 のような長期スパンの作品から、「ブルス・ドゥ・コメルス」 に代表される歴史的建造物の再生プロジェクト、「こども本の森」 のような社会貢献プロジェクトまで、余すことなく紹介する。半世紀もの間、第一線で走り続け、今なお 「青春」 を生きる、闘う建築家からの人生のメッセージを受け取ることができる。

本展の見どころは、安藤建築を五感で体験できる点だ。天井高15mの没入映像空間では、安藤の代表作を巡る迫力の映像でバーチャル体験の限界に挑む。さらに、初期の代表作「水の教会」を会場内に原寸サイズで再現。光と影が織りなす神秘的な空間を、自らの体で感じることができる。

また、直島の37年にわたるプロジェクトの軌跡を、模型と映像音楽のインスタレーションで表現。安藤が長年取り組んできた島の再生プロジェクトの全貌が明らかになる。

真駒内滝野霊園頭大仏 撮影:小川重雄
水の教会 撮影:白鳥美雄
ベネッセハウス ミュージアム + オーバル 撮影:松岡満男

半世紀もの間、第一線で走り続け、今なお「青春」を生きる安藤忠雄。本展のタイトルにもなっている 「青春」 は、安藤の建築哲学そのものを表している。常に新しいものに挑戦し続ける姿勢、そして社会に対する強い責任感。

建築を通じて人々の心を動かし、社会を変える。そんな安藤の信念が、本展の随所に感じられる。コンクリートの冷たさの中に宿る温かな思い。それこそが、安藤忠雄が追い求める「建築」なのかもしれない。


安藤忠雄展|青春
会期:2025年3月20日 (木) ~7月21日 (月)
会場:VS. (グラングリーン大阪内)
休館日:毎週月曜日 (月祝の場合は営業)
開館時間:10:00 - 18:00 (金・土曜日は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
主催:VS.共同事業体
共催:安藤忠雄建築展実行委員会

詳細・お問い合わせ
https://vsvs.jp/contact](https://vsvs.jp/contact