BUSINESS | 2024/12/02

展示会の木材廃棄ゼロを目指す
エコプロ2024で 「展示会ブースの新構法」 を発表

ブース設計・デザインを手がける SUPER PENGUIN株式会社が出展

FINDERS編集部

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なぜ、展示会で 「木工ブース」 がなくならないのか?

展示会のブース設計・デザインを専門に手掛ける SUPER PENGUIN 株式会社 は、2024年12月4日(水)から開催される 「エコプロ2024」 に出展し、「展示会ブースの新しい構法」 を発表する。

今回の展示会では、実際にブースをこの新構法で製作し、現在の展示ブースの環境上の課題、そして新構法の可能性について説明する。展示会ブースをつくる構法として多くを占める 「木工ブース」。 しかし、展示会後にはその木材のほとんどを廃棄してしまう、という環境上の課題がある。スーパーペンギンがデザインするブースのほとんどもこの木工ブースとなり、展示会後の廃棄にこれまで悩んできたという。

今回は、木工ブースの持っている利点を保ちつつ、木材廃棄量をゼロに近づける構法を 「製作途中段階の実際のブース」 で解説する。

スーパーペンギンはエコプロ2024に出展し、木材廃棄量ゼロを目指すブースの新構法を発表する

展示会後に 「約8割の木材」 は廃棄される。なぜ、「木工ブース」 はなくならないのか?

展示会ブースを構築する方法としては、大きく 「木工」 によるブースと 「システム部材」 によるブースがある。システム部材は使いまわしが可能であるため環境には優しいブース構成素材であるが、木工素材は展示会終了後にそのほとんど (約8割) を廃棄してしまうのが現状だ。年間の廃棄量の総量は低く見積もっても約2万トン。もちろん展示会の設営会社も、部材の再利用を図るなどの削減の試みを行ってはいるが、根本的な対策には至っていない。

木材廃棄量を削減するためには、「木工ブース」 を無くし、システム部材や段ボールなど、他の素材でブースをつくればいいのではとの考えから、従来から 「オクタノルム」 に代表されるシステム部材や 「ReBoard」 という段ボールを使用した 「木工以外のブース」 等が提案されてきた。もちろんこれらも今後増えていってほしいブース構築方法だが、スーパーペンギンによると、「今後も木工ブースがなくなることはない」 という。それは、ブースを作る際に、製作寸法を細かく設定できる 「寸法自由性」 とデザインの形状を整えやすい 「デザイン実現性」 が他の構法よりも優れている点が挙げられる。

これら単に好みのデザインを実現させるために有効なだけでなく、「ブースデザインによる集客戦略」 において重要な機能を持っているためだ。展示台や壁面のちょっとした寸法で集客が大きく変わる場合があり、このような緻密な設計には木工が最も適しているという訳だ。

木工ブースは、「寸法自由性」 と 「デザイン実現性」 の2点において、有利な展示会ブース構築方法。また集客的に考えると、細かな寸法設定ができることは、微妙な集客デザイン戦略に有効なブース構築法となる。

基本構法はそのままに、「素材を置き換える」 という発想

これまで、展示会業界は展示会における 「木材廃棄量」 を削減するために、「木工ブース」 ではない、他の構法によるブースを導入することで 「削減」 を目指してきた。しかし、「木工ブース」 を無くしてしまうことは非現実的で、このままでは 「多少の削減」 にはなっても 「ゼロ」 にすることは到底不可能だ。そこでスーパーペンギンでは発想を変え 「木工ブース」 の 「木工」 を 「他の素材に置き換える」 ことで、これまで木工ブースが持っていた特徴をそのまま活かしつつ、木材廃棄量を極力ゼロにすることができるのではないか、との考えにお至ったという。

それが今回のブース出展で紹介する「木」の代わりに 「再生板紙」 を用いる 「再生板紙構法」 だ。木工ブースの施工方法は、木で 「ブースの形状」 をつくり、その上から壁紙やカッティングシート・出力シートなどを貼付け仕上げる。再生板紙構法とは、「木」 の部分を 「再生板紙」 に置き換えるもの。再生板紙を加工し、ブース形状をつくりその上から壁紙やシートを取り付けて仕上げる。これまでと同じ設営会社、職人でも対応可能となり、一部に木を使用する 「ハイブリッド」 での構築も可能だ。

再生板紙構法は、木工ブースとほぼ同じ考え方でブース形状をつくる。
木工による展示台(右端)と、再生板紙による展示台(左の2台)。見た目はほぼ分からない。本展示台はエコプロ会場にて設置する。(再生板紙による展示台のうち1台は壁紙を貼る)

スーパーペンギンによると、これまで数度試作を行ってきた結果、本構法にはまだまだ課題はあるものの、業界としての需要が高まれば解決できる問題がほとんどであることが分かってきたという。もしこの構法が展示会業界の中で一般化すれば、年間数万トンの木材廃棄量が限りなくゼロに近づくだけでなく、再生板紙の需要が増すことによって、製紙業界にとっても新たな販路、大きな市場が生まれる可能性についても触れている。

ぜひ2024年12月4日(水)〜6日(金)に東京ビッグサイト 東ホールで行われる 「エコプロ2024」 に足を運び、実際に見てみてはいかがだろう。

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エコプロ2024
会期:2024年12月4日(水)〜6日(金)
会場:東京ビッグサイト 東展示棟
主催:日経新聞社

公式ホームページ
https://messe.nikkei.co.jp/ep/

スーパーペンギンブース
東6ホール ブースNO.6-026
https://messe.nikkei.co.jp/ep/cat880/stage-exhibition-booth.html