LIFE STYLE | 2026/10/31

「この湯に入るため、旅に出る。」
初めての『三ツ星』21施設が示す温泉選びの新基準

温泉評価制度「湯シュラン」が全国21施設を最高評価「三ツ星」に初認定

FINDERS編集部

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泉質や設備ではなく「届き方」を評価する温泉版の格付け、初の三ツ星21施設が決定

温泉は、どの施設も同じではない。同じ源泉であっても、湧き出した湯がどのように浴槽まで届けられ、どのように管理されているかによって、味わえる体験は大きく変わる。

この「浴槽に届けられた湯」の価値に着目した温泉評価制度「湯シュラン」が、2026年10月26日(月)に開催した「湯シュランアワード2026」第一部で、最高評価「三ツ星」に認定した全国21施設を初めて発表した。運営する一般社団法人Yuchelin(東京都港区、代表理事・北出恭子氏)は、環境省、観光庁、公益社団法人日本観光振興協会の後援を受け、観光経済新聞社や温泉ソムリエ協会などの協力のもとで制度を運営している。

制度開始初年度となる今回は、希少性が高く、温泉の個性を五感で感じやすい施設がモデルケースとして選ばれた。21施設は北海道・登別温泉の第一滝本館から鹿児島県・尾之間温泉まで、北から南へと地理的な順序で並ぶ。秋田県の玉川温泉、群馬県の法師温泉長寿館、大分県の別府温泉保養ランドなど、長年湯治や療養の場として親しまれてきた湯も含まれている。なお、21施設はランキングではなく、順位付けを目的としたものではない。

三ツ星だけがゴールではない――一ツ星・二ツ星にも異なる価値、認定後も続く取材と地域への配慮

湯シュランでは、三ツ星を「人生を変えるような湯体験」、二ツ星を「湯そのものを目指して訪れる名湯」、一ツ星を「近くに行けばぜひ立ち寄りたい湯」と位置づけている。環境省「令和6年度温泉利用状況」によると、国内には27,899本の源泉があるとされ、仮に毎年20施設程度を三ツ星に認定しても、10年間で認定数は200施設程度にとどまる計算だ。星の数だけでなく、一湯一湯の個性に目を向けることを、湯シュランは温泉選びの新しい楽しみ方として提案している。

認定は発表して終わりではない。湯シュランは認定施設について、源泉から浴槽までどのように湯が届けられているか、日々どのように管理され、その土地の歴史や文化とどう結びついてきたかを継続して取材し、公式サイトなどで紹介していく方針だ。賛助会員向けには、認定施設の情報をまとめた「湯シュランMAP」の提供も予定している。

一方で、認定をきっかけに来訪者が一時的に集中し、施設や地域に過度な負担がかかることは避けたいという考えから、各認定施設には地元住民の優先利用や入浴人数の制限など、守るべきルールがある。湯シュランは一般社団法人ツーリストシップの監修のもと「湯シュラン流 湯をお借りする五か条」も策定しており、挨拶を交わすことやその日の湯温を楽しむこと、基本的な入浴マナーを守ることなど、地域の暮らしや文化を尊重しながら湯を楽しむための心得を示している。

次の温泉旅の行き先を考えるときは、泉質や設備だけでなく、その湯がどのように浴槽まで届けられてきたかという物語にも目を向けてみたい。訪れる前には、各施設や湯シュラン公式サイトに掲載された利用上の注意事項も確認しておきたい。


湯シュランアワード2026
開催日:2026年10月26日(月)
主催:一般社団法人Yuchelin(湯シュラン)
後援:環境省、観光庁、公益社団法人日本観光振興協会
協力:観光経済新聞社、NPO法人健康と温泉フォーラム、一般社団法人ツーリストシップ、温泉ソムリエ協会

第二部視聴チケット
https://yuchelinaward2026.peatix.com/

公式サイト
https://yuchelin.org/