ITEM | 2026/08/13

草津の緑藻がバスソルトに 「ずっと眺めるだけだった」 草津の緑の藻が、東大発企業の手で肌にまとう存在に変わった

東大発イデユテックが草津温泉 「湯の華会」 と連携、バスソルトをCAMPFIREで予約販売中

FINDERS編集部

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眺めるだけだった温泉藻が、スキンケア製品として姿を変える

草津温泉の湯畑や西の河原を歩くと、湯の流れに沿って広がる鮮やかな緑色に気づく人は多いだろう。その正体は、高温・強酸性の温泉に生息する微細藻類「イデユコゴメ」である。これまでは景観の一部として眺められるだけの存在だったが、その藻から抽出したエキスを配合したバスソルトが、2026年8月6日からクラウドファンディングサービスCAMPFIREで予約販売を開始した。

手がけるのは、東京大学大学院博士課程を修了した三枝弘幸氏が2025年6月に設立した東大発スタートアップ、イデユテック株式会社である。群馬県沼田市出身の三枝氏は、東大IPCの客員起業家として活動する中でイデユコゴメと出会い、地元・群馬の温泉地から製品化に挑んだ。草津温泉の旅館女将らでつくる「湯の華会」と連携し、地域と共に一歩ずつ開発を進めてきた点も特徴だ。

バスソルト「いでゆこごめちゃんのお風呂」は、湯に溶かすと草津の湯畑を思わせる緑色のお湯が広がり、ヒノキの香りが浴室を包む設計になっている。イデユコゴメは約13億年前に地球に現れたとされる古い藻類で、ビタミンCやビタミンE、エルゴチオネインといった抗酸化成分を持つことが確認されている。これらは藻体そのものに関する知見であり製品としての効果を保証するものではないが、高温・強酸性・強い日光という過酷な環境に適応してきた生きものの成分という点に、素材としての物語性がある。

地域共創のクラウドファンディングが描く、温泉藻ビジネスの広がり

今回の企画は、単なる新商品の発売ではなく、草津温泉という土地と共に育てる地域共創プロジェクトとして設計されている。募集期間は2026年8月6日(木)から9月17日(木)23時59分までで、目標金額は50万円、目標額に届かなくてもリターンを届けるAll-in方式を採用する。リターンにはバスソルトのほか、注染の伝統技法を用いた限定デザインの手ぬぐいやトートバッグ、ステッカーなどが用意され、2026年11月以降に順次発送される予定だ。

草津温泉「望雲」の女将であり湯の華会会長を務める黒岩智絵子氏は、イデユコゴメについて「草津温泉が日本有数の豊かな湯量、強い酸性、そして高温の温泉であることを静かに語り続ける生きた証人」と表現し、今回の商品化を後押ししている。地域に息づく自然物が、外部の研究者やスタートアップとの連携によって新しい価値に変わっていく過程は、観光資源の活用に悩む他の温泉地にとっても参考になりそうだ。

イデユテックは今後、販売体制が整い次第、草津温泉の売店でもバスソルトを取り扱う予定で、化粧品シリーズの展開や、群馬県産こんにゃくをはじめとする地域農産物とのコラボ食品開発も視野に入れている。長期的には医薬品や石油代替原料といった分野への応用も見据えており、地域の温泉藻を起点に社会課題へアプローチする姿勢を打ち出している。温泉地の風景の一部だった藻に関心を寄せてみたい人は、CAMPFIREのプロジェクトページで詳細を確認してみてほしい。


【草津温泉から始まる新スキンケア】温泉藻イデユコゴメの魅力を届けたい!
https://camp-fire.jp/projects/939133/view