BUSINESS | 2026/04/15

最大約73.7億円を追加交付。インターステラのロケット 「ZERO」 が最終フェーズへ

文部科学省のSBIRフェーズ3でステージゲート審査を通過、
飛行実証を含む開発・実証段階へ進む

FINDERS編集部

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

民間資金と量産体制の整備を背景に、国内宇宙輸送の実装段階が一歩進む

インターステラテクノロジズ が開発を進める小型人工衛星打上げロケット 「ZERO」 が、文部科学省の 「中小企業イノベーション創出推進事業 (SBIRフェーズ3)」 におけるステージゲート審査を通過した。これにより、新たに最大約73.7億円の交付が決まり、飛行実証を含む最終フェーズへ進むことになった。

同社は2023年9月に始まった宇宙分野の同事業で、当初採択された4社のうちの1社として開発を進めてきた。2024年9月には審査を通過した3社に選ばれ、今回の審査ではさらに2社が通過。インターステラテクノロジズはその1社として、ZEROの開発・実証を次の段階へ進める。これまでの累計交付額は最大約154.4億円となる。

今回の通過は、研究開発そのものに加え、事業化を見据えた体制づくりも含めて評価されたことを示している。同社はこれまでに、ウーブン・バイ・トヨタをリード投資家として計201億円の民間資金を調達してきた。加えて、トヨタ自動車、ウーブン・バイ・トヨタとの3社による業務提携を通じて、初号機の先にある商用化を見据えたモノづくり体制の構築にも取り組んでいる。

ZERO初号機には、すでに国内外の民間衛星7基の搭載が決まっている。審査委員会からは、大手自動車メーカーとの連携によって量産に向けた製造ノウハウを取り込み、日本国内でロケット打上げを産業として成立させる可能性がある点や、研究開発段階で選び抜かれた要素技術、製造方法、運用方法を具体的な実証へ統合する計画になっている点が評価されたという。

背景にあるのは、世界的な打上げ需要の拡大である。人工衛星の打上げ需要はこの10年で大きく伸び、世界ではロケットの打上げ回数が増加する一方、日本の打上げ回数はなお限られている。国内人工衛星の多くが海外ロケットに依存している現状のなかで、国は2030年代前半までに、基幹ロケットと民間ロケットをあわせて年間30件程度の国内打上げ能力を確保する方針を掲げている。

そうした状況のなかで、インターステラテクノロジズが担おうとしているのは、単に1機のロケットを打ち上げることではない。国際競争力を持つ宇宙輸送サービスを実現し、日本が自立的に宇宙へアクセスできる体制を広げていくことにある。北海道・大樹町を拠点に始まった取り組みは、観測ロケット 「MOMO」 による国内民間企業単独での宇宙空間到達を経て、いま実用段階の宇宙輸送へと歩みを進めている。

今回のステージゲート通過は、ZEROの技術開発に対する支援拡大であると同時に、民間ロケットを国内産業として育てていく現実味が一段と高まったことを示す動きでもある。研究開発、資金調達、製造体制、搭載需要の確保という複数の要素が重なり、国内宇宙輸送の実装が次の局面に入りつつある。


インターステラテクノロジズ株式会社
https://www.istellartech.com/