LIFE STYLE | 2026/11/08

語らうサウナと、ひとり向き合うサウナ。福井で出会う二つの熱

フィンランド建築家が手がけた一棟貸切ヴィラが福井・永平寺町に誕生

FINDERS編集部

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フィンランドの建築家が手がけた、自然を切り取る日本初の宿泊施設

川のせせらぎを聞きながら、大きな窓いっぱいに広がる九頭竜川と山々の景色に包まれる。そんな滞在ができる一棟貸切ヴィラが、福井県永平寺町の温泉オーベルジュ「歓宿縁 ESHIKOTO」に誕生した。

2026年10月31日、同施設に新たに開業したのが、サウナ付き一棟貸切ヴィラ「歓宿縁 聚 TSUDOI(つどい)」である。運営は株式会社アクアイグニス、プロデュースは日本酒「黒龍」を生み出す石田屋二左衛門株式会社が手がけ、フィンランド大使館の協力のもとフィンランドのサウナ文化と建築思想を取り入れて誕生した。

建築を手がけたのは、フィンランド・ヘルシンキを拠点とする建築事務所「Studio Puisto」。同事務所が日本で初めて手がける宿泊施設であり、設計を担当した建築家ヘイッキ・リータフフタ氏は、建物そのものを主張せず周囲の自然と一体となる空間づくりを大切にしたという。リビングには九頭竜川や山々の景色を一枚の絵のように切り取る大きな窓を設け、窓の向きや屋根の角度、建物の高さにも配慮することで、日の出から日没まで移り変わる光や季節ごとの表情を身近に感じられる設計とした。

語らいの熱と、静寂の熱。ふたつのフィンランドサウナ

施設内には趣の異なる2つのフィンランドサウナを備える。企画・設計監修を担当したのは、サウナイデア株式会社代表で一級建築士の島田大輔氏。温度や素材だけでなく室内の空気の循環にも配慮し、心地よいサウナ体験を追求したという。

「川のせせらぎ」を意味する「Kuohu(クオフ)」は、約70〜75℃の穏やかな温度帯で、大切な人との会話を楽しみながらゆったり過ごせるサウナだ。壁石には多孔質で熱を蓄える石川県の観音下石を採用し、九頭竜川の景色や水音を感じながら過ごせる。

一方、「平穏・静けさ」を意味する「Rauha(ラウハ)」は、約80〜85℃の高温でひとり静かに自分と向き合う時間を提供する。壁石には福井の伝統的な石材である笏谷石を用い、密度が高く熱を蓄えやすい特性を生かして地域の素材とフィンランドのサウナ文化を結びつけた。

サウナの後は、屋外デッキに設けた信楽焼の浴槽と水風呂へ。九頭竜川を望むテラスには椅子やテーブルも配置され、風や光を感じながらサウナの余韻に浸る時間を過ごせる。語らいと静寂、ふたつの熱を行き来しながら、その日の気分に合わせた過ごし方を楽しめる構成である。

「つどい」の名に込めた想いと、福井が誇るアート

「聚(つどい)」という名には、人々が集まり大切な時間を分かち合う場所でありたいという想いが込められている。リビングにはIDÉEによる特注ソファなどの家具を配置し、大きな窓から九頭竜川を眺めながら家族や友人と語り合える空間に仕上げた。

館内には、福井県出身のアーティストMAGO(長坂真護)氏の作品も展示されている。廃棄物を素材とした作品制作と、その売上げを通じたガーナの人々への支援活動に取り組むMAGO氏の作品は、ロビーに太陽、寝室に月をイメージして配され、日の出から日没、そして月の移ろいへと続く自然の時間を表現している。

「歓宿縁 ESHIKOTO」は2024年11月に誕生したオーベルジュで、全室に半露天風呂の温泉を備え、日本料理「えん」とフレンチ「cadre」で美酒と美食をもてなしてきた。「聚 TSUDOI」は1室限定の貸切ヴィラとして、公式サイトから予約を受け付けている。

フィンランドの建築思想と福井の風土、そして二つの異なる熱が織り合わさったこの一棟貸切ヴィラは、自然とじっくり向き合いたい人にも、大切な人と語らいたい人にも応える滞在先だ。次の旅先の候補として、公式サイトで詳細を確認してみてはいかがだろう。


歓宿縁 聚 TSUDOI
所在施設:歓宿縁 ESHIKOTO(福井県吉田郡永平寺町)
開業日:2026年10月31日(土) グランドオープン
定員:1名〜6名
素泊り価格:160,000円〜(1〜4名の場合)
広さ:332.97㎡
設計:Studio Puisto(フィンランド・ヘルシンキ)
プロデュース:石田屋二左衛門株式会社
サウナ企画・設計監修:サウナイデア株式会社 島田大輔氏
お問い合わせ:0776-50-1323(9:00〜21:00)

公式サイト
https://kanshukuen.com/sauna/