BUSINESS | 2026/02/27

京都発 「宇宙食を美食に」―千年を超える食文化とXR技術が融合する新ガストロノミー体験が始動

「G +Astronomy Project (ガストロノミープロジェクト)」

FINDERS編集部

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • line

2026年4月、宇宙飛行士・土井隆雄氏を迎え、京都・嵐山にてキックオフイベントを開催

宇宙の体験をつくる研究者集団である 株式会社amulapo は、京都・嵐山の老舗料亭 「京料理 鳥米」株式会社JTB 京都支店との共創により、新たなガストロノミー体験 「G+ Astronomy Project」 を始動する。

本プロジェクトは、京都の食文化と宇宙テクノロジーを掛け合わせ、「宇宙食を美食に」 という問いに挑むプロジェクト。第一弾として2026年4月より、鳥米を会場に、XRによる宇宙旅行体験と特別に開発された京懐石の実食を組み合わせたプレミアムイベント 「G+ Astronomy Experience」 を開催する。

民間宇宙旅行が現実味を帯びる一方で、宇宙での食事は栄養や保存性が優先され、文化としての豊かさは十分に探究されてきたとは言い難い。これに対し、千年の都・京都で育まれてきた和食は、出汁の旨味や季節の移ろい、器やしつらえに至るまで、総体としての食体験を磨き上げてきた。

同プロジェクトは、Gastronomy (食文化)Gravity (重力)Gift (継承)Gourmet (美食) という4つの要素を 「G+」 に込める。無重力空間と地球の重力が生む味覚の違いを体感しながら、京都の食文化を次世代、そして宇宙へと接続することを目指す。

VRで宇宙へ、出汁の香りで地球へ帰還する体験会

体験イベントでは、参加者がVRヘッドセットを装着し、京都から宇宙空間へと旅立つ。無重力下で 「食文化の不在」 を体感した後、出汁の香りとともに地球へ帰還し、目の前に用意された京懐石を味わう構成である。物語と実食が連動する設計により、五感を通じて重力と食の関係を再認識する時間となる。

開催は全3回を予定。第1回は2026年4月18日(土)、第2回は5月16日(土)、第3回は6月6日(土)で、各回18:30~20:30頃の実施を予定している。会場は京都市西京区嵐山朝月町の鳥米。参加料金は現在調整中で、販売開始は2026年3月上旬を予定している。

4月18日(土)の初回には、宇宙飛行士の 土井隆雄氏をスペシャルゲストとして迎える。土井氏はスペースシャトル 「コロンビア号」 および 「エンデバー号」 に搭乗し、日本人として初の船外活動を行った人物である。無重力空間での食事体験や味覚・嗅覚の変化、宇宙生活における 「食」 の役割について、実体験を交えて語る予定だ。

本企画のために鳥米が開発する特別コースは、宇宙空間をイメージした演出やXRストーリーと連動した献立で構成される。保存性や旨味の凝縮といった将来的な宇宙食への応用も視野に入れ、「和宙食 (わちゅうしょく)」 という新たな概念を提示する。

明治21年創業の鳥米は、嵐山の地で京料理の伝統を守り続けてきた。六代目当主の田中良典氏が監修を務め、伝統的な技法を基盤としながら未来の食のあり方を表現する。一期一会の献立を通じて、重力のある地球で味わう京料理の意味を問い直す試みである。

「G+ Astronomy Experience」 は完全予約制のプレミアムイベントとして開催される。販売は専用予約サイトを通じて行われる予定で、詳細は3月上旬に発表される。

宇宙と京都という一見離れた領域を接続し、食を通じて未来を構想する 「G+ Astronomy Project」 。重力のある地球で味わう一椀の出汁が、宇宙時代の食の可能性を照らす起点となるかもしれない。


株式会社amulapo
https://www.amulapo-inc.com/

京料理 鳥米
https://www.toriyone.com/