BUSINESS | 2026/06/15

社内ビジコンを支える 「事務局」 日本一にJTB 「JUMP」 が選出

70社超の担当者が集結した 「ビジコンAWARDS 2026」 が最優秀賞を発表

文・カトウワタル (FINDERS編集部)

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応募数や事業化件数だけでは見えない、制度運営の実践知に光を当てる

大企業向けの新規事業支援を行う株式会社フィラメントは、2026年6月10日(水)、企業内の新規事業提案制度、いわゆる社内ビジネスコンテストの運営を担う事務局を表彰する 「ビジコンAWARDS 2026」 を開催した。2025年の初開催に続く第2回となる今回は、70社を超える企業から160名を超えるビジコン事務局担当者が集結。24社のエントリーから書類選考を通過した6社が最終審査会に登壇し、最優秀賞には株式会社JTB 「JUMP」 が選出された。

近年、社内ビジコンは社員のアイデアを新規事業へとつなげる仕組みとしてだけでなく、人材育成や組織変革を促す取り組みとしても広がっている。一方で、その成果は応募数や事業化件数だけでは測りきれない。制度設計、応募者への伴走、審査後の事業化支援、社内文化への浸透など、成功の背景には事務局による地道な運営力がある。「ビジコンAWARDS」 は、その見えにくい実践知を可視化し、企業間で共有することを目的としたアワードである。

最優秀賞はJTB 「JUMP」、学びと挑戦を循環させる仕組みが評価

最終審査会に登壇したのは、カシオ計算機株式会社 「IBP(Idea Booster Program)」 株式会社JTB 「JUMP」 大東建託株式会社 「HIRAKU」 千代田化工建設株式会社 「F1 PROJECT」 本田技研工業株式会社 「IGNITION」ロート製薬株式会社 「明日ニハ」 の6社である。いずれも社内から新たな挑戦を生み出すための制度を運営し、応募者支援や事業化支援のあり方を磨いてきた企業だ。

最優秀賞に選ばれたJTBの 「JUMP」 は、JTBグループ全体のイノベーション創発プログラム 「nextender」 の中に位置づけられる、全グループ社員対象のアイデアコンテストである。「nextender」 では、JUMPを含む多様な挑戦の機会を提供する 「CHALLENGE」 と、イノベーションに関する学びやつながりの場である 「KNOWLEDGE」 が連動している。事業アイデアの価値向上や事業実現だけでなく、グループ全体のイノベーション文化の醸成、挑戦者の拡大へとつなげている点が高く評価された。

最優秀賞輝いた株式会社JTBの 「JUMP」

審査員を務めた一般社団法人Japan Innovation Network Chairperson 理事紺野登氏は、JTBの取り組みについて、会社としてイノベーション経営を実践する意思と、それを支える事務局の姿勢が印象的だったとコメントしている。また、早稲田大学大学院経営管理研究科教授入山章栄氏は、「nextender」 という大きな枠組みの中にビジコンがある点を評価し、自社の人材というアセットを活用し、JTBの人材がさらに強化される仕組みが際立っていたと述べている。

個社のノウハウを業界全体の資産へ。秋にはレポート発行も予定

ビジコンの運営には、唯一の正解がない。企業規模や事業領域、制度の目的、運営年数によって、求められる設計や支援の形は異なる。そのため、多くの事務局は自社に合った制度づくりを模索しながら、試行錯誤を重ねている。しかし、その知見は企業内に蓄積される一方で、社外に共有される機会は限られてきた。

「ビジコンAWARDS」 がユニークなのは、社内ビジコンそのものの成果だけでなく、それを支える事務局の工夫や挑戦を評価対象にしている点である。新規事業を生み出す仕組みは、アイデアを募集するだけでは機能しない。応募者が挑戦しやすい環境を整え、学びの機会をつくり、事業化に向けた伴走を行い、失敗や学習を次の制度改善へとつなげていく。その運営知こそが、企業内イノベーションの基盤になっている。

フィラメントは今後、「ビジコンAWARDS」 を毎年開催するアワードとして継続しながら、事務局同士が学び合い、つながる場として発展させていく方針だ。さらに、エントリーシートや参加事務局へのアンケート、審査会でのプレゼンテーション内容をもとに、制度設計や運営上の特徴、各社の工夫や課題を分析した 「ビジコンAWARDSレポート」 を2026年秋に発行する予定である。

新規事業創出は、華やかなアイデアやピッチの場だけで成り立つものではない。その裏側で挑戦者を支え、制度を磨き、組織に挑戦の文化を根づかせる事務局の存在がある。「ビジコンAWARDS 2026」 は、そうした裏方の知見を表舞台に引き上げることで、企業内イノベーションの次の進化を促す場となった。


ビジコンAWARDS 2026
開催日:2026年6月10日(水)
会場:港区立産業振興センター ホール大
所在地:東京都港区芝5-36-4 札の辻スクエア
主催:株式会社フィラメント
パートナー:ASCII STARTUP、CNET Japan、新規事業Talks、Biz/Zine、FINDERS

公式サイト

https://bizcon-awards.com/2026


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