CULTURE | 2026/09/30

帰国した大スターを待っていたのは、完全な 「忘却」 だった

役所広司×宮藤官九郎が贈るヒューマンコメディ、10月22日Netflix独占配信

FINDERS編集部

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帰国した大物俳優を待っていたのは、「完全な忘却」だった

世界的な人気を誇った俳優が、海外公演を終えて帰国したその日から、家族にも世間にも一切気づかれない存在になっていたとしたら。そんな「完全な忘却」から始まる人間喜劇が、Netflixシリーズ『俺のこと、なんか言ってた?』である。主演は役所広司、脚本は宮藤官九郎、企画・プロデュースは磯山晶が務め、10月22日(木)からの配信を前に、待望のメイン予告映像とキーアートが解禁された。

予告は、公園の遊具でホームレス同然の生活を送る主人公・高瀬川玄(役所広司)の姿から幕を開ける。「彼を知らない日本人はいない」とまで言われた大物俳優が、帰国すると家族を含む日本人のほぼ全員から忘れ去られていたという衝撃の設定だ。行政の窓口でボケ老人と誤解されるほどプライドを打ち砕かれた高瀬川は、他人のオーディションや撮影現場に強引に割り込みながら、エキストラという最底辺から再起を図っていく。

実績もキャリアも積み上げてきた人間が、ある日突然社会的な承認を失うという設定は、働き方や自己認識が揺らぎやすい現代の観客にとって、単なる笑い話では済まない切実さも帯びている。

予告の後半で効果的に使われるのが、劇中の重要曲「ア・タ・シ ケンチャナヨ」である。作詞は宮藤官九郎、作曲は横山剣というドラマファンにはたまらない組み合わせで、大久保のサウナ「白樺」で働く従業員チヂミ(坂井真紀)と社長のチョウ氏(横山剣)によるデュエット曲として劇中に登場する。

この楽曲に重なるのは高瀬川だけではない。劇団を主催する劇作家でスランプに陥る岡本哲(賀来賢人)、過酷な現場を支えるチーフ助監督・川島一機(松山ケンイチ)、高瀬川の元妻で芸能事務所を率いる野々村ヨウコ(吉田羊)、その娘でコンカフェ嬢として働く野々村エマ(河合優実)、自己陶酔型の看板俳優・村井タケル(磯村勇斗)、かつてのライバル俳優・壬生大也(濵田雅功)――。それぞれが抱える承認欲求や焦りが、ポップで切ないメロディと共鳴していく構成である。

予告の終盤には、10年ぶり3度目となる不倫報道に「覚えてない…」ととぼける高瀬川と、妻・マチ子(江口のりこ)とのコミカルなやりとりも挟み込まれ、宮藤官九郎脚本らしい笑いも随所に散りばめられている。

視線が交錯するキーアートと、THE SEVENが仕掛ける世界戦略

同時に解禁されたキーアートは、剥ぎ取られたポスターの隙間から高瀬川(役所広司)が「俺のこと、なんか言ってた?」と顔を覗かせ、彼を取り巻く豪華キャスト陣の視線が絡み合うデザインとなっている。文字と視線だけで、本作ならではの癖の強い群像劇の空気が伝わってくる仕上がりだ。

制作を手掛けるTHE SEVENは、TBSホールディングスの出資により2022年に設立された企業で、Netflixとの戦略的パートナーシップや『今際の国のアリス』シーズン3の制作、ハリウッドのLegendary Entertainmentとの提携など、日本発コンテンツを世界へ届ける仕組みづくりを担ってきた。今回の作品も、豪華な演者陣とオリジナル楽曲を武器に、日本発のヒューマンコメディを世界の視聴者へ届ける試みの一つといえる。

実績も名声も一夜にして失った先に何が待っているのか。承認欲求と向き合う笑いと切なさの物語を、10月22日(木)からのNetflix配信であわせてチェックしてみてほしい。


俺のこと、なんか言ってた?

配信開始日:2026年10月22日(木)

配信:Netflix(世界独占配信)

出演:役所広司、賀来賢人、松山ケンイチ、江口のりこ、河合優実、濵田雅功、磯村勇斗、上川周作、山本博(ロバート)、中井千聖、坂井真紀、吉田羊

脚本:宮藤官九郎

企画・プロデュース:磯山晶

音楽:河野伸

制作プロダクション:THE SEVEN

製作:Netflix


公式サイト
https://www.netflix.com/jp/title/81915623