ITEM | 2023/10/13

「握って使う"変態"キーボード」が誕生。マウス機能も搭載

文:FINDERS編集部
「置き型」としても使える可変式
PCを使って仕事をする人であれば誰もが使う「キーボード」。...

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文:FINDERS編集部

「置き型」としても使える可変式

PCを使って仕事をする人であれば誰もが使う「キーボード」。多くはノートPCに搭載されたものをそのまま使う人がほとんどだが、少しでもこだわってみよう、と足を踏み入れるようものならそこは「沼」。打鍵性やカスタマイズ性、果ては自作など、さまざまなタイプのキーボードが待ち受けている。

今年9月に行われた東京ゲームショウ2023に、「変態」とまで称されたキーボードが現れた。

褒め言葉としても使用される「変態」という形容だが、昨今は非常にカジュアルな言葉として定着してきた印象もあり、多くは単に「すごい」と言うのと何ら違いはない。だが、今回紹介するdotBravo社によるキーボード「Grab Shell」はまさしく「変態的」と言って差し支えないものではないだろうか。

なんせ握って使えるのだ。

本体の裏表にキーが配置されており、アコーディオンのように両サイドのバンドに手を通して使用する。表面は親指で、裏面は残りの指で打鍵することとなる。基本的なアルファベットキー、記号キーに加え、デリート、エンター、スペース、esc、shiftキーは裏側に搭載。またLayerキーを使用することで一つのキーの中での打ち分けも可能となる。

表面にはcmd、ctrl、altといったその他のキーが配置。またその他に、ジョイスティック、トグルスイッチ、トラックボール、スクロールホイールとクリック用のキーが搭載されている。マウスを使うことができない分の機能もしっかり補完されている。

さらに驚くべきは、本体を展開することで「置き型」としても使える点だ。概ね左右分離型のキーボードに近い感覚で使えることができそうだ。

接続はBluetoothと有線に対応。MacとWin両方に対応している。

「Grab Shell」は、dotBravo社の3人のキーボードオタクとその子供たちによって生み出されたという。オフィス内を歩き回りながらタイピングがしたいエンジニアの「持っても置いても使いたい」。デスク以外の場所での作業をすることが多かったハードウェアエンジニアの「マウスやトラックボールも使いたい」。特定のデバイスに縛られたくないライターの「ワンタッチでキーボードの配置を変えたい」。この三者三様の欲望に加えて、デジタルネイティブとして育ち、幼いころからPCやXRデバイスと共に育った彼らの子供たちが日常的に使える「XR世界をハックするためのデバイス」として設計されるに至ったという。

「Grab Shell」は特にXRデバイスとの連携を強く意識して作られたという。先日の東京ゲームショウでは、Xreal社のARデバイス「Xreal Air」と接続して使用するデバイスとして、Xreal社のブースにて登場したということだ。

確かにVRデバイスなどはデスクから離れた状態でコンピューティングができるメリットを持つ一方で、文字入力は画面上のキーボードで1文字ずつ入力していくしかなかった。今後XR系デバイスのコントローラーの一つの選択肢になりうるかもしれない。

ちなみに打鍵に慣れないのではないか、との心配はご無用。タイピング練習サイトも用意されている。

「Grab Shell」は現在公式サイトより購入可能。カラーは黒ベースのOnyxと白べースのMoonの2種類。

価格はスタンダードタイプが5万9800円、すべてのきーに刻印がされていないブランクキーキャップ仕様が6万5700円。なおいずれも米ドル決算になるため、為替レートに応じて円の価格は変動するのでご注意を。


GrabShell