文:ヤジマミユキ
本当の家族とは、決して血縁だけ語られるものではない。血はつながっていても、心はつながっていない家族も存在する。
そんな中、運命的とも言える出会いで一つの家族となった7人の兄妹と夫婦の話が、多くの感動を呼んでいる。
交通事故により、両親を失った7人の幼い兄妹
米国カリフォルニア州サンディエゴに住む7人兄妹は、2018年5月、高速道路上で交通事故に遭い、両親を失った。子どもたちも大けがを負ったものの、奇跡的に一命を取り留めた。膝を骨折した兄妹の一人は、「私たち兄弟みんな生きていて何よりです」と『CBS8 News』と語った。
事故当時、子どもたちは一番年上の長男が13歳、最も幼い子はまだ2歳だった。7人の兄妹には面倒を見てくれる家族がいなかったため、4人の兄弟と3人の姉妹は離ればなれに里親に出されてしまう可能性があった。
Facebookでニュースを知った夫婦の決断
2019年1月、突然の事故で両親を失った7人の兄妹の悲痛なニュースを、同じ米国カリフォルニア州メニフィーに住むウィリスさん夫婦はFacebookで知った。そして、すぐさまこの兄妹を自分たちの養子にしようと決めた。
「このニュースを見た時、他の誰のところにも行く場所がない兄妹たちが、どれだけ愛情を必要としているかがわかったんです。それから毎週、養子縁組制度の窓口に電話をして、私が子どもたちをどれだけ助けたいかを伝えました」と妻のパムさん(49歳)は 『Metro』の取材に語っている。
ウィリスさん夫婦には、すでに5人の子どもがおり、その全員が成長して家を離れていた。また、数年前からは里親制度に登録し、2、3人の子どもを時々世話することがあったが、養子縁組をするつもりはなかったという。ただ、それがこのニュースを見た瞬間に変わったのだ。
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