あらゆるビジネスシーンでクールビズやリモートワークが推奨され、年々カジュアルダウンの傾向にあるワークスタイル。ビジネススーツに取って代わり、近年ニーズを増しているのが、カジュアルな着こなしにも適したニットジャケットだ。普段はビジネススーツを着用しない人でも、いざという時の一張羅のジャケットを持っている人は多いだろう。
そこで、今買うべきは、一枚羽織ればきちんと見えて、しかも遊び心のある上質なニットジャケット。質感やデザインはもちろん、着心地のよさにもこだわった、オン&オフ両用で使える一枚をご紹介したい。
取材・文・構成:庄司真美 写真・スタイリング:駒田達哉 撮影協力:MOHOK
袖ボタンがないカジュアルなジャケットなため、袖口をまくって着こなすのもいい。
今回紹介するのは、イタリアを代表する老舗ブランド「BAGUTTA(バグッタ)」の新作ニットジャケット「COMBINED JACKET」だ。
「BAGUTTA」は、イタリア・ミラノの世界的なシャツメーカー「Confezioni Italiane Tessili」社(通称CIT社)の一ブランドとして1975年にスタート。
CIT(チット)社は1934年の創業以来、アルマーニをはじめとする高級ブランドのOEMの製作を手がけてきた、業界屈指の実力あるファクトリーとして、世界のファッション界をリードしてきた。
その成り立ちから、ファクトリー自体はシャツを専門としながらも、マスターテーラーを擁する仕立て部門を備えている。
しかも、今期よりピエトロ・ディ・マテオ氏がデザイン・ディレクターとして抜擢されている点にも注目したい。
マテオ氏は、高い縫製技術を誇り、世界の名だたるメゾンブランドのスーツを手がけてきた「ラルディーニ」、世界最高のシャツと称される「ルイジ ボレッリ」といった、イタリアを代表する老舗ブランドで手腕を奮ってきた人物だ。
それだけに、このニットジャケットは、ウール素材のやわらかなニット生地でありながら、伝統的な仕立て技術で作られる“サルトリアル・ジャケット”と同じ着心地とディテールを実現。“サルトリアル”とは、イタリア語で“仕立て屋”やその仕立て技術のことを指す。
オーダーメードでスーツを仕立てたことがある人ならお分かりかと思うが、ジャケットのよさは生地やデザインだけでなく、見えない部分である、「仕立て」が大きく左右する。
実はスーツやジャケットはいくらでも手抜きして作ることができるが、こちらは、前身頃や襟、肩などの要所要所に毛芯を用いて縫製される、もっとも手間のかかる総毛芯仕立ての本格派。
仕立てがいいからこそ、ジャケットの要となる肩の抜群のフィット感を実現している。
また、素材がウール100%のため、比較的しわになりにくく、カーディガン代わりに肩ひじ張らずに羽織れる気軽さも特徴。
生地はウール100%素材のプレーティング編みのニットで、軽量でストレッチ性があり、動きやすい。
内側の隠しポケット。
一着あれば、通勤時はもちろん、チノパンと合わせたジャケパンスタイルをはじめ、きちんと見せたいならウールパンツにネクタイを合わせてもOK。
日頃からカジュアル出勤の人でも、Tシャツ+デニムの上にこのジャケットを着るだけで、ビジネスミーティングにも十分対応できるはず。
プライベートなら、食事やデート、二次会をはじめとするカジュアルなパーティ、子どもの授業参観や七五三など、守備範囲は広い。
オン&オフともに、少しずつ対面で会う機会が増えつつある今こそ、ジャケットを新調して差別化してみては?
ジャケット(BAGUTTA)価格6万8200円/ユナイテッドアローズ 有楽町店
ネクタイ(UNITED ARROWS)価格1万1000円/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店
※表記は税込価格